20.現れた山賊達に最果てのダンジョンに案内させることにしました
私はすやすや寝ていた。
最近というか今日は徹夜だったから本当に眠くて久々にゆっくり寝ていたのよ。
なのにだ。
ガンガンガンガン!
大きな音がして起こされたのよ。
「誰よ、一体?」
むっとして私は目を覚ますと私の目の前にはモンモンとイリーナがいた。
「あっ、アリス、目を覚ましたのね」
モンモンが私を見てほっとした。
「どうしたの?」
「山賊達に囲まれているのよ」
イリーナが教えてくれた。
このスカイバードを囲んで山賊達が蛮刀を振るっていた。
まあ、そんななまくら刀ではスカイバードはびくともしないけれど……
「えっ、山賊って、ここは無く子も黙るノルディン帝国じゃないの? 馬のおじちゃんは我が帝国には俺を恐れて山賊なんていないって豪語していたのに!」
私が非難めいた声でイリーナに言うと、
「いくらお父様が赤い死神として恐れられていても限度があるわよ。
と言うか、帝国の威令が村々にまで響いているから山賊も村や町には寄りつけないのよ。それでこんな辺境の地に来て冒険者相手に追い剥ぎみたいな事をしているみたいよ」
イリーナが説明してくれた。
山賊共は私達を見つけたけれど、スカイバードの扉が開かないから仕方なしに刀で壊して押し入ろうとしたけれど、びくともしないらしい。特にこのスカイバードはシャラおばちゃんの加護もあってそう簡単には壊れないようになっていた。
「お前らいい加減に開けないとこの機体ごと燃やすぞ」
外で山賊達が叫んでいた。
でも、この機体はそう簡単には燃えないし機体も数千度に上げないと溶けないんじゃないかな。
山賊達がいくら騒いでもスカイバードはびくともしないのでお兄様達は山賊達を無視することにしたらしい。
「で、お兄様は?」
私も山賊達を無視してお兄様を探した。
「フランク様はそこで寝ていらっしゃるわ」
イリーナの指さす方を見ると座席を倒してお兄様達は寝ていた。
「えっ、この大音量の中寝ているの?」
私は呆れてしまった。
「お前ら、出てきたらただでは済まないからな!」
山賊達の大声がしていた。
まあ、お兄様達も徹夜なのは変らないけれど……
何でもイリーナ達も交代で寝たらしい。
外はもう明るいから朝にはなっているみたいだった。
「お兄様。どうするのよ?」
私はお兄様を揺り動かした。
「あっ、アリス、起きたのか?」
お兄様が背伸びをした。
「ああ、よく寝た」
ブラッドもその後ろから起きてくれた。
「よくこんな大騒音の中で寝ていられるわね」
外は刀や金槌を叩く音が響いてていたが、アリス号はびくともしていなかったが、音はとてもうるさい。
私が呆れて言うと、
「何を言っているんだよ。アリスこそ最初は大口開けて寝ていたぞ」
お兄様に言われてしまった。
「えっ、そうなの?」
私は驚いてモンモン達を見ると
二人とも大きく頷いてくれた。
「本当に揺すっても叩いても起きないから、どうしようって皆で相談していたのよ」
取りあえずアリスが目を覚ますまで皆で寝ようと山賊共を無視して寝ていたらしい。
「で、こいつらなんなわけ?」
私が聞くと、
「俺達を捕まえて身代金を取りたいらしい」
お兄様が呆れて教えてくれた。
「何て奴らなの? 赤い死神の子供達を人質に取るなんて自ら殺してくれと言っているみたいじゃない!」
私が言うと、
「お前らな。それを言うならドラフォードの陰険王子の子供達を人質に取るなんて自ら八つ裂き刑を志願するような者だって言うんだよ」
なんかお父様も酷い言われようだけど、まあ、陰険王子よりは赤い死神の方が怖いと思う。
「どっちもどっちよ」
何でも無いって顔をして平然とモンモンが言ってくれた。
「えっ」
ブラッドが驚いていた。
モンモンは見かけと違って言うことがえげついのよ!
「お父様達に連絡されたら即座に飛んできて連れ戻されるわ」
イリーナが心配そうに言い出した。
子供でも馬のおじちゃんが怖いらしい。流石に赤い死神だ。
私が感心していたら、
「あなた以外は皆恐れているわよ」
モンモンにこそっと言われてしまった。
ジュースくれたりお菓子くれたりする本当に良いおじちゃんなのに!
「やはりここは証拠隠滅で全員燃やすのが良いんじゃない?」
私がきっぱりと提案した。
「いきなり燃やすのは可哀想じゃないか」
お兄様が首を振ってくれた。
「やっぱり、一番怖いのはアリスよね」
モンモンが自分を差し置いて言ってくれるんだけど……
「じゃあ、どうするのよ?」
「あいつらのアジトはどのみち最果てのダンジョンの中にあると思うんだ。あいつらに案内させて、そこでおさらばするのが良いんじゃないか?」
お兄様が言い出してくれたけれど、
「それって私の案よりも更に酷くない?」
案内だけさせて、燃やすのなら一緒だし、案内させる分えげつないと思う。
「何も燃やすとは言っていないだろう」
お兄様が呆れてくれた。
「ええええ! おさらばって始末することでしょう」
「何も殺せとはいっていない。全員縛るとかやりようは他にあるだろう。アリスはシャラザール様と仲が良いからか言うことが過激だぞ」
お兄様に注意されてしまった。
「まあ、第2のシャラザールって言われているものね」
誰がいつ言われたのよ。言われていないわよ! そんなこと。
私はモンモンの言葉にむっとした。
結局お兄様の案で行くことになった。
「全員捕まえるって面倒なのよね。燃やせば一瞬なのに!」
私の言葉に皆ぎょっとしてくれたんだけど、
「冗談よ。冗談」
私はおどけて見せたけれど、モンモンは疑い深そうな顔で私を見てくれたんだけど……
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
言うことが過激なモンモンとやることが過激なアリス。
まあ、アリスは言うことも過激ですが、そのまま実行しかねない……
下手したらどこぞの神様と同じ……
続きをお楽しみに!








