17.体が宙に浮いて喜んでいたら、それがなくなると同時に地表に向けて機体が真っ赤になって落ちて行きました
私が気付いた時、前面の窓から見たお空は真っ暗だった……
まあ、夜だから当然なんだけど……
星がやけに近く見えたけれど……変だとは思わなかった。
でも、その時、ピカッと明るくなって太陽が見えてきたんだけど……
あれ?
あれ太陽だよね?
何で、その周りの空が黒いんだろう?
太陽が出ているということは朝になったはずなのに!
周りを見渡しても空は真っ黒なままなんだけど……
空って青いんじゃ無いの?
ひょっとして魔王が復活して真っ黒になってしまったんだろうか?
後でシャラおばちゃんに聞いたらそれは成層圏を抜けたんじゃ無いのか?
と言われたんだけど……せいそうけんって何?
よく判らなかった……
でも、なんでお空が真っ黒になってしまったんだろう?
それと何故か私のきれいな髪の毛がふわふわと浮いているんだけど何故?
と言うか体全体が浮いているんだけど……
ここは天国なの?
でも、スカイバードはそのままだ。
スカイバードで天国に行けたって話はまだきいたことが無いし……
後ろを振り返ると、お兄様始め皆気絶していた。
皆の髪の毛も浮いている……
うーん、変だ!
どうしよう?
下を見ると詳細な地形図になっていた。
なんかとてつもなく高く上ってきたみたいだ。
海が青く輝いている
良かった、黒くなっていなくて……
空が暗くなっていて目がおかしくなったのかと思った。
ナッツアがどこかはよく判らなかったけれど、この地形は本では見たことがあった。
地平線が広がっていて地球が丸いのもよく判った。
北の方に真っ白なのは絶対に氷だ。
あれが北極なんだろうか?
北極には大陸が無いとのことだけど、一面凍っていて真っ白だった。
私のアリス号は順調に飛行しているようだった。
今回は私一人の魔力で行くしかないので、如何にして何千キロも離れた所に行くか考えたのよ。
いくら魔力の多い私と言えども、限度があるし。
途中で墜落は嫌だ。
距離が数千キロ離れていたから、私一人で操縦するのに一番楽な方法は出来るだけ角度をつけて打ち出す方法だった。だから射出機の角度を45度まで上げて、一気に空に飛び出したのよ。
加速がつきすぎて気絶してしまったけれど……
まあ、私の強力な魔力があればこそだけど。
そうして打ち上げてたので、後は落下するだけだ。
微妙な修正は必要になると思うけれど……あまりやることはない。
私は取りあえず、シートベルトを外してみた。
「あっ、浮いた!」
私は感激した。
信じられないことにふわふわ浮いているのよ。
とん!
天井に軽く当たるがゆっくりだったから全然痛くない。
シュッと飛んでみた。
スイーーーーと進む。
「何をしてるんだ、アリス? 新しい魔術でも開発したのか?」
目を覚ましたお兄様が驚いて尋ねてきた。
「お兄様、シートベルトを外してみて、空を飛べるのよ」
私が言うと
「本当かよ……嘘をつくなって……あれっ、本当だ、浮いた!」
お兄様が驚いてくれた。
「本当だな、浮いたぞ」
横でブラッドも喜んでいた。
「シュワッ!」
そう叫んで飛んでいく。
ガツン
「痛い!」
勢い余って天井にぶつかったみたいだ。
頭を押えて呻いている。
本当に馬鹿だ。
私は呆れてしまった。
「な、なんて所に居るのよ、地上があんなに小さくなっているじゃない!」
後ろで起き出したイリーナが叫んでいるけれど……
「このままだと私達の星から飛び出すんじゃ無いの?」
イリーナがギャアギャア言い出してくれた。
「それはないと思うわよ。もうじき下に落ち出すから」
私はそうなるかどうかは知らなかったが、予定では落ちるはずだ。
「アリス、無茶しすぎよ。あんな速さで飛び出すなんて信じられない!」
モンモンが目をこすりながら起きて文句を言って来たが、
「ギャーーーー! 太陽があるのにお空が真っ暗じゃ無い! アリス、何をしたのよ?」
窓の外を見て今度はモンモンが悲鳴を上げた。
「本当だ!」
「何をしたんだ、アリス?」
ブラッドに続いてお兄様まで私を責めてくるんだけど……
「私は何もしていないわよ」
私が否定したが、
「そんな訳内でしょ。絶対に貴方が何か良からぬことをしたのよ」
イリーナは決めつけてくれるし、
「本当だよな」
「アリス、いたずらは本当に止めてよね」
ブラッドとモンモンまで言いだしてくれるんだけど……
「そんなの言っても知らないし……お空って高くなるとこうなるんじゃない?」
私はそう言うしかなかった。
「本当かよ」
「絶対に怪しいわ」
ノルディン兄妹が私を怪しんでくれた。
そんなこと言われても私は知らないから判らないんだけど……
そう思っていたときだ。
浮いていた体が徐々に落ちてきた。
「ギャッ、ちょっとアリス。私の上から乗ってこないでよ」
モンモンが文句を言ってきたけれど、
「私のせいじゃないわよ。浮けなくなったわ」
私はがっかりした。
もっと飛んでいたかった。
でも、喜んでいられるのは最初のうちだった。
「ねえ、これって落ちているんじゃない?」
「えっ?」
「どうなっているんだ?」
モンモンの声にお兄様達が慌てだした。
「おい、つばさが赤くなっているぞ」
ビービー!
ブラッドの声と同時にいきなり警報が鳴り出した。
「ちょっと、アリス、どうなっているのよ?」
「どうって知らないわよ!」
私は放物線を書いて落ちるように操縦しただけで翼が赤くなるなんて予定していなかったんだけど……
ビービービービー!
警報音がまたけたたましく鳴り出して、
「このままだと空中分解してしまうぞ」
お兄様が警告してくれたんだけど……
「ちょっと、アリス!」
「どうするのよ?」
イリーナとモンモンに言われたけれど、どうするって聞かれても……
スカイバードは真っ赤になって大地に向けて加速しだしたのよ!
このまま行くと空中分解?
宇宙空間から一直線に落ちる?
アリス達の運命や如何に?
続きをお楽しみに!








