5-19 救世主
100話以内に終わりたかったんですが無理そうです。
「ネックレス?ありがとう……」
「ふふっ。驚いた?アンナ、欲しいものがあるならなんでも言ってね。全部用意するから」
「……いつも通りでいいよ。平和な日常がほしいだけ」
「……。もしかしてアンナが危ない時ケイトに行ってもらったの怒ってる?」
「いいえ。その間これを買ってくれてたってことだよね?」
「う、うん」
間違ってはない。
ループ抜けるのも最終的にはアンナのためだし。
アンナ、ニコニコしてはいるけどちょっと怖い、よ?
「スティーヴは私になんでもくれるって言ったよね?」
「うん。なんでもだよ。平和でも宝石でも権威でも頭脳でも。見晴らしのいい景色に寝心地の良いベッド、美味しい食事だって用意するとも。アンナが望むなら結婚相手だって───────」
話の途中でアンナにビンタされた。
「スティーヴなんて嫌い!!」
▫
「……」
何もする気が起こらない。
「ここに来るの久しぶりだねー。文化祭の準備大変だったんだね?」
保健室の上でぼーっとしているしかできない。
先生が何か話しかけてきているが、全く頭に入ってこない。
「スティーヴさん体調悪そうな感じすか?」
「しばらくすれば大丈夫とは思うけど」
「そう、っすか。ま、必要なことは教えてもらいましたしね!このままテストまで突っ走るっす!」
「よく分かんないけどがんばってね〜」
何か会話が行われているが聞く気も起きなかった。
「……む。ちょっと用事があるからボク出るね。安静にしててね!」
バタバタと走る音が聞こえる。どうやら先生が保健室からいなくなったようだ。
僕も仕事あるしそろそろ行かなきゃな、そう思って立ち上がろうとするが、力が入らなくてそのままベッドから崩れ落ちてしまった。……もういいかこのままで。
どのくらい経っただろうか。1時間いや、長く感じるだけでせいぜい5分だったかも。扉を開ける音がした。先生帰ってきたなら助けてもらわなきゃ。
「スティーヴ!……ってええ!?」
女の子の声だな……。よく通る声だ。聞き覚えがある気がするが、うつ伏せで倒れているので呼びかけている声の主の顔が見えない。
「どうしちゃったのさ」
「誰?」
「ハルイだよ!?」
「ああ……」
生徒会室来ないから心配してきてくれたのかな?そもそも教室にすら行ってないからクラスメイトの誰かが僕は保健室にいるって伝えたくれたのかもしれない。
「アンナに嫌われた……僕はもうダメだ……」
「あー。確かに生徒会長ちょっと不機嫌だったかも?いつも凶暴だけど今日はいつにも増して迫力あったっていうか」
「そう……」
「は、反論してこない。こりゃ重症だ……」
もうどうでもいいや。
「スティーヴ、元気出して」
「ムリ」
「えー?……ご飯くらいなら奢るよ?何があったか相談してよ。私達友達でしょ?」
「……。あのさ、ハルイは僕のこと何も知らないでしょ」
「そりゃ教えてもらってないからね」
「……。僕さ、実は結構おじいちゃんなんだ。お兄さんとか言ってたけどそれどころじゃないくらいの歳なんだ。若作りしてごめんね」
「ん?んんん?」
僕の話が予想外だったのかハルイが困惑の声をあげる。
「リールが僕のこと呪物だとか言ってたかもしれないけど僕は呪物じゃないよ。前文明の技術で作られた動く人形なんだ」
「そ、そうなんだ」
「うん。僕は頑固だから抗ってるけど、基本的に目的のためにしか動けないんだよね。人形だからさ」
「……?」
「僕の製造目的は……まあ言う必要は無いけど。このままだと僕は世界を滅ぼしかねない」
「えーと?なんの話?」
「僕の話」
信じられてないな?
「ねえ。ハルイ。「お前が僕を“殺す”救世主になってくれるか?」」




