5-14 観戦
リレーこっからでも見えるじゃん。
観戦しよう。
エリックは今回出ないらしい。というか弟が仕掛けて来たとかで今応戦中でそれどころではないらしい。いちいち物騒なんだよなぁ。内戦ってほどじゃなくあくまでお家争いで収まってんのは王族が皆有能で最低限の良識があるからだろうか。
レイヴンの立場は昨年のあれ以降あまり良くない。ってことで今回は真面目に騎馬戦の馬やってたらしい。ちょっと面白そうだし見てみたかった。
ハルイも出ればいいのに……って忙しいから無理か。今年は昨年とメンツがかなり変わってるな。この紙によると、ダニエルがまたアンカーか。本当に足速いんだなぁ。学年混合なのでアンカーはだいたい3年生なのだがそういうこともある。トムもアンカーだし。僕のクラスはクリスチャンって人がアンカーらしい。……そういや昨年の生徒会長クリスチャンって人だったな。クリスチャンとクリストファーでややこしくね?って思ったんだった。まあクリストファーの愛称はキットらしいから区別自体はできるのかな。アンナがキットって呼んでた。
「クリスチャンなー、なーんかどっかで聞いたことあるような……」
「魔王リエルの取り巻きの1人にして、1年生から2年間生徒会長を務めた傑物ですよ、クリスチャンさんは」
唸ってたらグレイが教えてくれた。
ああ一緒に海行った人か。学園に落ちてる髪の毛拾い集めてファイアーしたヤバいやつでもある。そっかあの人が走るんだ。
「あの人を選挙で負かして生徒会長になったのがアンナさんじゃないですか。推薦のスピーチしてたのに忘れたんですか?」
「誰もいなかったからやっただけだしなー。アンナが考えた文面をそれっぽく読むだけの簡単な仕事さ」
それ以上は別に……。ということで対抗馬は見ていない。
「どんな人なの?」
「一言で言えばマッドサイエンティストじゃないですか。魔王の元に行ったのも合法的に悪魔を研究できる良い機会だからというのが大きな理由の用ですし」
「そういえばアンナが生徒会室でたこ焼き焼いてるとか言ってたなー……」
「それは知りませんが。悪癖以外は卒なくなんでもこなせる人物のようですね。将来は医者になりたいようです」
「なんか意外だ」
自信がなさそうな素振りしか見たことなかったから、もうちょっと普通の人だと思ってた。でもそうだな、ステラを退けられる生徒だったわけだしそれくらいできて当然かも。
「トム足はっや」
おしゃべりしてたらアンカーにバトンが渡っている。1番最初にバトンを渡されたトムが疾風のように走っている。エリックみたいに舐めプもないしこりゃトムが1位だな。僕の方が速いとか嘘じゃん。僕達のクラスは3番手、ダニエルのクラスは6番手か。ふうむ。
「スティーヴさんは誰が1位だと思います?」
「トムでしょ」
「ですか?俺はダニエルさんだと思います」
「えー?ギャンブラーだねグレイ」
「その方が楽しいじゃないですか」
「言えてる」
ダニエルがバトンを取った。速い。ぐんぐん加速して前を走る生徒を抜かしていく。クリスチャンが抜かされてしまう。抜かされたな。ゴール。3位か、すっご。
「トムが1位だから予想は僕の勝ちだね」
「でもダニエルさんもすごかったです」
「だよね!昨年より足速くなってる気がする!」
「ですねぇ」




