5-11 手品
寝るまでは今日!
ハルイの本ゲットだぜ。あとナタリーのやつも。
他見たい本はパラ見してきたので僕の記憶に期待。ってことでクリストファーのとこに行くぜ。
「ふんふふんふーん」
クリストファーはどこにいるかなぁ。図書館にいれば会えると思ってたが来なさそうだし自分から見つけに行かなきゃね。
「ご機嫌だなスティーヴ」
おおリエル。
「そりゃそうさ。予言書たくさん見た僕は情報戦も制す無敵なわけ!完全無欠で最強な僕ってば超かっこいいのでは?全知全能ってやつなのでは?「何言ってるかよく分からないが、僕が機嫌良さそうで僕も嬉しいぞ」」
「俺の本も見たのか?」
「リエルの本は見てない!「脅威じゃないからな!」」
「えっ……」
「ショック受けるなよー警戒してないってことだよ?僕とリエルって友達だからね「魔王お前はもう少し強くなれ。まるで歯ごたえがない」」
機嫌がいいのでだる絡みだ。リエルの肩……は届かないので背中を叩く。
「えらく俺に優しいな?なんで?」
優しいと表現してくれるところがきっとモテる理由なのだろう。
「きちんと契約守るなんて偉いなと思って「そこしっかりしてないやつ多いからな。律儀なのは美徳だ」」
「え?もしかして好感度上がった?俺と付き合ってくれる?」
「「それはやだ」」
「酷い!?」
「なんでいけると思ったのさ「僕にその機能はないから永遠に了承することはないぞ」別に付き合う付き合わないって恋愛感情の有無で決まるわけじゃないよ。それはそれとして断るけど」
「表の方が厳しいのか……」
「いやー……君と付き合う?自分を想像すると寒気がね……「らしいから無理だ。悪いな」」
「脈ナシすぎて泣きそう」
本当にそう思ってんなら笑顔で言うな。
「……あのさ」
「どうしたんだ?リエルの取り巻き1」
「取り巻きって言うのやめてよね!」
「確かに良くないよね。名前はえーと」
記憶を探る。
「ポピーだったっけ」
「そうよ。ふん」
長い髪を手で払い胸を張る。うーん絶壁。
「この私の名前を覚えていないなんてこと、なくて良かったわ」
そうだね、その通りだ。
あと僕は王子様の名前すらも覚えていないみたいだからあんまり気にしないでほしい。
「(リエル。スティーヴ・ヘイズになんの用事なの?)」
「(口説き中)」
「(口説くな!)」
小声でなにか話し合っているようだ。
僕の性能のいい耳には全て聞こえているとも。君達仲良さそうだね。
「僕とリエルは友人だから気にするようなことはないよ」
「へーやった」
「おや取り巻き2くん」
「俺は22番目っすよ。2繋がりでちょうどいい的な?」
「確かに?」
「スティーヴさん最近ずっと元気すよね。今度サッカーしません?」
「いーよ」
何故かハイタッチを求められたのでハイタッチする。と、肩を抱かれる。どうした?
「ここだけの話なんすけど、俺リエルさんの恋人出し抜きたくて。なんか良い情報持ってません?好きな食いもんとか」
リエルのハーレムメンバーこんなんばっか。
まあ僕関係ないし別にいいんだけどさ。
「リエル。君ブランカの爪の垢でももらってきなよ」
「なんで?」
「ん。大した意味とかないよ」
あそこみんな仲良さそうでいいよね。平和が1番。
「スティーヴ様、あまり茶菓子のご用意はありませんが」
「ああ、僕は少食だから安心して欲しい」
そもそも食事いらないし。
見覚えのあるリエルのハーレムメンバーが僕のために椅子を引いたのでそこに座る。
胸元に手を入れる振りをしてボディの中から、お湯の入ったティーポットを取り出す。鞄に常備している茶葉をそこに入れる。
「どこから出したんですか」
「ふふん。僕の特技の手品だよ。タネは教えてあげないけど」
「そ、そうですか」
カップを机に置き、紅茶を入れる。
持ち手を右手で持ち上げカップの縁に口をつける。ああ、美味しい。
「そういや最近お前ブランカといることが多くないか?」
リエルが紅茶を楽しむ僕を見ながら言った。
「そりゃあ友達だからね」




