5-5 お邪魔キャラ
前話の後書きに情報追加しました。
「なるほどね?」
クリストファーが1つ上の学年の学力トップらしい。クリストファーというのは昨年の副生徒会長だ。
上位をキープしながらファンタジー生徒会の忙しさもこなすのは凄いとしか言いようがない。
1学年上はうちのシエルみたいに確定不動の1位みたいな人はいないのだが、1位を取ることが多い人が2人いる。その学年トップの2人を和解させるととあるキャラが絶対に学力トップを取れなくなり、完全に詰んでバッドエンド確定するとかなんとか。
なんでこんなことを考えているのかと言うと、何回もループさせられて、情報をかき集めた結果多分これだろうと分かったのが上記の話。
どんな条件だよ。
すげー疲れた。もう誰とも話したくねえ。
誰も通らない旧校舎の隅っこの廊下で三角座りをしながらため息をつく。
……もしかしてエンディングが確定するとループするんだろうか?
いやしかし、過去のループはそもそもゲームが始まっていないわけで。ふむ。
「スティーヴ・ヘイズ……」
「?僕に何か用かな?」
振り向くと、なんとなく見覚えのある顔が。
ストーリー強制的に読ませられた時に見たような。あんまり重要なキャラじゃないのかさっぱりした塗りで可愛いなと思ったのを覚えている。
……表情差分めっちゃ邪悪でビビったのも思い出したわ。
「アンジェリカです。特待生で集められた時以来ですか?」
あー、特待生の残りの1人か。リエルがなんか言ってたな。とりあえずめぼしい男に粉をかけまくる……成り上がり主義という言葉がふさわしい女の子らしい。ライバルに相応しい!とか言ってたっけ。男を取り合ってんのかよ、そんなことを僕に言ってくるな。
ちなみに顔は結構地味である。見た目も薄い茶髪を下の方で二つ結びにしていて派手さはない。
……ヒロインより可愛いと良くないからね、仕方ないね。
立ち絵も普通にありそうなマリスなんかは美少女だからイラストレーターの都合な気もするけど、設定上はどうなっているんだろうか。
その子……アンジェリカが両手を胸の前で組んだ後、顔を上げて口を開いた。
「養父から聞きました!ミール様は中等部に入って以降ほとんど授業に参加していないにも関わらず上位をキープしている天才なんですよね!?噂では高等部に在籍しながら元老院で執政にも携わっていらっしゃるとか!…私、養父から能力を買われてこの学園に入れてもらったのですが自信がなくて……」
……うん。
見た目が地味な理由はなんとなく分かった。
目には潤んでいるように見せるためか意図的に光を入れている……角度まで計算しているなコイツ。
お前を利用しつくしてやるという強い圧を感じる、あと近い。
廊下で大声を出すものだから、歩いている人だけでなく、旧校舎の教室を使っている部活動中の学生達も興味深そうにこちらを見ている。わざわざ死角にいたのになんてことしてくれてんだ。
ここで僕がこの子を無下に扱ったら、僕並びにアンナの好感度が下がることは間違いない……いや、アンナの好感度には関係ないか。
そうでなくとも何故か僕の貴族に嫌味を言われないという今の素晴らしいポジションが脅かされる可能性がですね、僕嫌味とか言われてもよく分からないし。貴族怖い。
この子改めて本当に僕のことよく調べてるな。
「アンジェリカ、君のことは僕もよく知っているよ……って男爵家のご令嬢にこれは少し失礼な物言いだったかな?」
「……いえ、そんなことは」
ふむ。
アンジェリカはその才気を認められて3年前に男爵家の養女になったと聞いている。特待生にはよくあること、らしい。僕の学年はアンジェリカ以外元の家で暮らしてるけどもその方が珍しいんだとか。
「君は素晴らしい才能を持っているじゃないか」
僕からの近づいて肩に手を置き耳元で囁く。
「……別に君僕の助けとかいらないよね?君1人で生きていけるだけのガッツがあるんだから僕を巻き込まないでくれないか」
「ちっ」
今こいつ僕に舌打ちした?
僕は君なんて簡単に潰せるんだぞ!!……はあ。




