5-3 お助け
「スティーヴ!」
「何か用かな?」
「うん!」
生徒会室。今日の分の仕事が終わり、外で色々やってるアンナ待ち。ぼーっとしていたらハルイに話しかけられた。
「いいよ、お兄さんになんでも言ってみて。解決できるかは保証できないけどね」
指を唇に当てて言う。僕のことは他言無用で頼むよ!
「呪物による傷害事件が去年多発していたのは……もちろん知ってるよね?」
「うん」
「その犯人がエリスだったってのも、そりゃ知ってるかぁ」
「うんうん。強い呪物を使うのコスパ悪いってことで最終的に株分けできるナイフを使って騒ぎを起こしたんだよね」
「ええ!?」
ハルイが露骨に驚いている。もしかしてなんか間違えた?
ちなみに適当言っただけだからあんま信用しないでほしい。
ハルイが気を取り直したように咳払いをする。
「また呪物による事件が起きてるの!」
「……起きてるのかー」
この前のが1部完でさながら2部ってとこか。アプリ新しくしたのかな。
「何か知ってるなら今すぐ吐きなさい!」
「ヤダ」
なんも知らねえです。
「とりあえずレイヴンは白でいいと思うよ」
同じ展開2連チャンはダレるし。
ってことでアドバイスタイム。
「テオ先生がバリバリ怪しいけど今回の件とは関係なさそうだし、とりあえずいっぱいかまってあげてよ」
「恋愛ゲームのお助けキャラみたいなこと言うね!?」
「……ゲーム?」
「……ゲームってなんだろ?」
まーたお遊び選択肢か。紛らわしいからやめてほしい。
「お兄さんは超頼りになるからね。恋愛相談だってお手の物さ。誰の好感度を聞きたい?」
にっこり笑って聞いてみる。
乙女ゲームだしこういうのは定番だよね!
今回も一緒のクラスだったらしいハルイの親友ことカトリーヌはそういうタイプじゃないしキャラ被んないんじゃないかと思ったり。
「お兄さんの好感度が聞きたいです!」
「えっ僕?」
予想外。
……僕以外なんて聞かなくても分かっとるわと言いたいのかもしれない。
「僕ハルイのこと結構好きだよ。25点くらい?」
「……ちなみに何点満点?」
「100点。ちなみに無関心は0点だよ」
「びみょーな点数!!」
ガビーンみたいな表情。
主人公だからか表情がコロコロ変わって見てて面白い。
「だいたいの人0点だから良い方だよ」
安心させるように笑いながら言うとハルイが微妙な顔をした。
「……あのさ、エリスってあれで本当に死んだと思う?」
「え?だってレイヴンに銃で撃たれて」
「人間だったら死んでるよね。人間だったらね」
目を細める。
「あんなたくさんの呪物、普通扱いきれないでしょ」
「でもリールは……」
「リールは特別だからね。特別な人間として特別な人生を強いられている。「エリスはどうだ?」レイヴンにずっと庇われているだけで、普通に成長して普通に学校に通ってるだけだったんじゃないのかな?」
リールはブラフ役か。関係ありそうで関係ないみたいな。
「じゃ、アンナ帰ってきたみたいだから僕行くね」
「う、うん」
先代魔王の最大の能力は未来予知だった。
ワンチャンなにか書き残してたりしないかな。あとでリエルに聞いてみるか。
▫
「はーはっはっは!年度明け初の勝利は俺様の物だったようだな!」
期末テストで2位のエリックが何か言ってる。1位は当然のようにシエルだった。つまり僕が3位ってことだよ。うん。
「そうだねーエリックはすごいねーさすがだねー……」
なんでこんなに悔しいんだろうな。エリックは僕よりずっと年下なのに。
「はははは!声から悔しさが滲み出ておるわ!」
「うっさい。……生徒会なんかに入るから、とは言わないんだ?」
「ん?ああ。ようやくお前も人を率いる立場に興味が出てきたかと思ってな」
「出てないよ」
エリック的にそういう扱いなのか生徒会。
「そういうのハルイに言うべきじゃない?」
「ハルイ?ああ、突然生えてきた従姉弟か。なぜだ?」
「……脅威になる的な?」
「何も考えてないなら適当なことを言うな。まあでもそうだな……あやつはそもそも王になる気がないようだからな。まずは見えている脅威からだ。姉上がまた性懲りも無く王に仕掛けるようだから先に潰しておきたい」
「なんでそんな血気盛んなのさ」




