5-1 終わったと思った?
新しい学年になった。
ハルイとは別クラスになった。つまり?僕はストーリー記録の絵からも消えた正真正銘のモブになった、ということだろう。
「また会えて嬉しいぞ相棒!」
リエルが僕の肩を叩く。
「僕も嬉しいよ」
他の主要メンツは、と。うーんいないな。ハルイもいないし攻略キャラもいない。グレイはいるけどそれはほら、リエル対策だろうし。ってことは僕がリエルと同クラスになったのもリエル対策?……エリスの件かな。ランプ教授があの後国王にあの話をしたんだったらそうなるのも納得ではある。ハルイがいないのも姪っ子に危害が及ばないようにという配慮だろうか。去年からやっとけと思わんでもない。
「しかしリエルが女になったとなると、僕本格的に男友達いないかも」
「男の俺の方がいいってか?ちょっと待ってろ」
そう言うとリエルが男の姿になった。
「いやそういうことじゃなく、うん、まあいいや」
リエルに性別のこと言った僕が間違いだったな。
まあこんなこと言ってなんだが僕も別にどっちでもいい。どっちでもリエルは僕の友達だよ。
「そういやお前生徒会書記になったんだって?」
「……まあね」
「どういう了見だよ。お前今までそんなめんどくさいこと関わろうともしなかったじゃん」
「アンナが中等部で会長やった時も手伝いくらいはしたよ僕」
「そうだったっけ?」
「そうだった」
片手を机に置いてニヤニヤしながらリエルが茶化してくるので僕も反論する。
「アンナがなー、家格に関係ない学校作りをーなんて公約出したせいで貴族の生徒会役員皆消えちゃってさ。まあだから数合わせってわけ」
「くはっ。らしいな。面白いこともあったもんだ。にしてもアンナちゃんすごいよなぁ。平民初の高等部の生徒会長だろ?」
「アンナは超すごいよ!」
「なー」
アンナのお父さんに仕事減らすからアンナの手伝いしてほしいって頼まれちゃったししょうがないから手伝おうかな、みたいなそんなノリで書記をすることになった。それはそれとしてあの公約で当選するアンナは超すごい。通ってる人数は貴族の方が多いってのに。
「ちなみに人足りてんの?」
「足りてないんだなーこれが。でも目星は付けてるみたいだから僕は様子見だね」
「えぇ?俺立候補しようと思ったのに」
「む。リエルはアンナに近づけさせないよ!教育に悪いし!」
「アンナちゃんはそんなヤワじゃねえと思うが……」
とかなんとか話してたら始業のベルが鳴ったのでリエルが片手を挙げた後前を向いた。一応真面目に授業は受けてんだよなリエル。
▫
今日は1回も倒れずに授業受けれたな……。エネルギー節約が上手くなってきたのかもしれない。
ハーレムメンバーに囲まれて色んな方向から引っ張られていたリエルを見捨てて僕は教室から出た。
さて、生徒会室はどこだったかな。
おお、ここか。中等部のより大きいかも。開ける。
「……!?」
僕は中の光景を見て絶句した。
「スティーヴ!スカウト成功したよ!!」
アンナが僕を見つけてパァっと破顔する。
「今日から生徒会庶務を務めてくれる、ハルイさん、です!」
アンナが両手を前にいる女子生徒に向けて出す。ああ、そうだ。赤い髪に血のような目、幼さが残りつつも気の強そうな顔立ち……そう、ゲームの主人公ことハルイだった。




