6-21 日常
「スティーヴ!」
女形態のリエルが背中を叩いてくる。
ちなみにループは普通に抜けた。リコリスが言った通りではあるんだけど、スッキリしねえ。
先生に無限ポップしてた相続争いの貴族共は全員下したし、ダニエルの方もフリッツの所につなげたしレイヴンは何が起こってたのかよく分かんないけどケイトががんばってくれたおかげでどうにかなった。でも前回のループで何が起こってたのか結局何も分からない!当然グレイも監視について僕も注視していたが何も起こらなかった。ハルイを槍で貫いた下手人どこ!?
「今回のテストの順位どうだったんだ?」
「確認してない。せっかくなら掲示で見たいし?」
勉強時間は単純計算で今までのえーと9回くらい?まあ僕の場合迂闊なミスが一番の弱点ではあるのだけど、今回は勉強時間の長さもあってがんばって見直ししまくったから期待できるぞ。
走って向かう。
「お前すごいなスティーヴ!」
走った先にいた短髪の好青年がいい笑顔で僕にそう言った。誰だっけ?
「トムじゃん」
トムらしい。足が速いくらいしか覚えてない。
「リエルも相変わらずいい筋肉してるな!」
「トムもな」
なんかよく分からんが仲良さそう。ここはリエルに任せて僕は順位表を見に行くか。
褒めてくれるってことはやっぱ期待できる?
たたたた、と1人で走り珍しく人だかりができている順位表の前に来る。し、身長が足りなくて見えない。
「スティーヴ!」
ハルイが僕に気づく。
「わ。ハルイ!そうだ、僕を持ってるフリしてよ」
「え、なんで?」
「大丈夫。僕自分で浮くから。不自然じゃないよう手を置くだけでいいんだ」
「わ、分かった」
やったぁ。
ハルイって背高いからいいよね。この際情けないとか気にしないよ僕は。女の子にも人気のあるかっこいいお姫様に持ち上げられる僕、なかなかいいんじゃない?ということで順位表を見る。僕は……2番目だ!……ん?1位?
「すご、満点じゃん」
ハルイのつぶやきが聞こえる。
シエルの下に僕の名前が書いてある。スティーヴ・ヘイズ 1位……シエルも1位。思わず二度見した。同点であり、つまり僕も満点!?
「この僕が……満点……だと?」
「その言い方だと普通逆じゃない?」
ケアレスミスしすぎてケアレスじゃねぇよ感がある僕が満点?テストが簡単だと偏差値下がって難しいと偏差値上がる僕が?ってそれは前世の話か。
「1位!1位だよ!!僕が1位!!」
「うん。落とすから暴れないで……って私が持ってるわけじゃなかった」
「えへへ。満点取れたの嬉しい」
「良かったね?」
エリックは……3位だ。と言っても1位と2点差。ほぼ満点と言ってもいいだろう。ループの知識もないのにすごくね?
「降ろしてー」
「ん」
降ろされるふりをしながらゆっくり足を地面に下ろす。
「その女を馬にするとはやるな、スティーヴ」
「エリック!!久しぶり!!!」
ハルイにお礼を言ってから、赤髪の背の高い男、エリックに走り寄る。
「っと、……せいぜい3ヶ月ぶりくらいだろう」
エリック目線ではそうだね!!僕は何年ぶりかな?って感じだよ!!
馬にしたらやるなと思われるくらい認められてるじゃんハルイ。
「僕満点取ったんだよすごくない?」
「ふん。俺様とたったの2点差ではないか」
「はは、されど2点差だよー?それで僕は1位でエリックは3位だ!」
た、楽しい。
忙しいから僕と話すのなんてここくらいなんだけど、今回のようなことあるとマジで話す機会消滅するからな。ちょっとくらい接点を持っておきたい。
「エリックそろそろ動き出さないと、本当に僕が金でこの国を支配しちゃうぜ?」
「……おお、やっとやる気になったか!安心しろ。俺様も兄と準備を進めているところだ」
なんの?もしかして戦争の?
近世くらいまで文明進んでるくせに中世みたいな戦争の仕方するんじゃないよマジで。革命されるよ?それで共和国になって代表にハルイが……って普通にありそうな展開だな。あとでリコリスに聞いてみよ。




