6-19 雑談
「魔王!?」
リコリスがびっくりしている。そりゃそうか2m近い巨体が急に現れればびっくりもする。いや2m超えてたっけ?
「女の子と逢い引きとかやるな!」
「逢い引きじゃないよ。てか逢い引きだと思うなら話しかけてこないでよ」
こういう躊躇のなさがきっとリエルの強みなのだろう。とは思いつつ。
「えー。俺スティーヴのこと狙ってるし」
「まだ諦めてなかったのか……」
「そっちの女の子は、見覚えないけどよく見たら可愛い子じゃん。夕飯一緒にどう?」
「ど、どうも」
リコリスも口説くつもりだな?とか考える間もなくもうナンパしてる。スピーディ。
「多分女形態の方がいいよ」
「ほうほう」
リエルが女形態になる。制服も変わるの便利だよなー。
で、リコリスの顎を掴んで顔を近づけている。リエルの方が10cmくらい高いかな。
「可愛いね」
「え、ええ!?」
「……ほんとだ。こっちのがいけそう」
リコリスは目をぐるぐるさせて動揺している。リエルが僕を見てご機嫌なことを示すよう口角を上げた。どういう反応を返せと?
「あはは面白い」
「面白がるな!!」
指さして笑ってたら顔を赤くしたリコリスが大声で怒った。
「まあそれくらいにしといてあげなよ。……ちなみにゲームでは僕とリエルって仲良かった?」
「?うん。基本ニコイチみたいな。スティーヴの初登場は魔王と一緒にいたもんで、セーブ&ロード君が魔王に寝取られたー!?みたいな反応があったような気も」
「そうなんだ……」
まあそりゃリエルの方は行動変わってないんだからそうなるか。僕の主体性の無さが嫌になるね!
「てか私で遊ぶな!」
「えへ」
「……なんか疲れちゃったなぁ」
「紅茶飲む?」
「飲む……って今どこから出したの?」
ふふん。カイトにティーポッドごともらった紅茶を工夫して保管してあるので上手いこと美味しさそのまま。
座ってお話していたので、カップを置いて紅茶を注ぐ。
「リエルは別にいいよね。いつでもカイトの紅茶飲めるし」
「いやくれよ」
「しょがないなぁ」
立っているリエルの前にカップを置いて紅茶を注ぐ。
「なんか浮いてるんだけど?」
「便利でしょ」
「便利だな」
「もう何も言わないよ……」
空中で注ぎ終わったカップの持ち手を持ち、リエルが紅茶を飲む。その動作には自然と目が惹き付けられる。また腕を上げたな。
「で!どうするかって話だけど!」
「うん」
リエルいるけどまあいいか。
「とりあえずハルイをどのエンディングにも行かせない。これが一番大切だと思うんだ私は」
「リエルに落としてもらう?」
「それはそれでエンディングあるんでダメです」
「あるんだ……」
ちょうどリエルがいるし提案してみたが、即却下された。悲しい。
リエルを見るとよく分かってなさそうな顔でうんうん頷いていた。
「僕はアンナ優先だからハルイにばっかり目を向けるわけにもいかないんだよね。とりあえずグレイとあとケイトの弟引っ張って来ようかな。王族を守るためって上に言えばそのくらいのことは見逃してくれるだろうか?うーん」
仮定で作戦立てるの怖いなぁ。
「今回主人公はダニエルと同じクラスだね。ってことはダニエルルートかテオ先生ルートかどっちかだよ」
「へー……」
ルート別れてるんだ。
「攻略考えたいとこなんだけどさ。私としては真犯人見つけたいんだよね」




