6-8 お願い
「スティーヴ!!」
「どうした先生」
保健室でゴロゴロしてたら先生が急にカーテンを開けた。相変わらず派手な格好してるな……。
寝てる生徒を叩き起すとかあんまりそういうの良くないんじゃないかな?どう?関係深まったから良しか。
「ど、どうしよう」
「その内容を言ってくれないことには僕もどうしようもないですよ」
「そっか。そうだよね。えーと。あのねボクはそこそこ名のある貴族の出なんだけど……」
「言ってましたね」
「当主が死んだみたいでさ。なんか次期当主を決めるためのバトルロワイヤル始まったっぽいんだよね」
「は?」
は?
「何言ってるんだコイツって思ってるんでしょ!?ボクも思うよ!?でもしょうがないじゃん起こったんだから!!」
「そうすか」
「真剣に聞いてないな?」
「聞いてません」
「ボクもそうありたいよ。……元々当主様って分家の分家みたいなところから力を示して当主になった人だったみたいでさー、その関係で遺言書に1番強いやつが当主だ!って書いてあったんだよね。ボクって一応元々本家だったとこの一人息子だからさ、まあ狙われるよね。もう狙われてるっぽい」
「へー……」
もしかして6回目の時にあったハルイに決闘申し込みに来た貴族ってこの話関連だったのだろうか。
ってことは毎回そのバトルロワイヤルは起こってそうだが、僕に相談しに来たのは初めてだ。
「なんでわざわざ僕にそれを?」
「勤務中に襲われる可能性あるし一応言っとこうかなって」
「日和らなくていいすよ」
そんな殊勝なやつじゃないだろお前。第一保健室登校は毎回のループで行っていたけどこの話されたの今回だけだし。
「ボクのことを助けてスティーヴ!」
目をぎゅっと瞑りながら顔の前で手をパンと叩いてお願いをされた。
「暇な時ならいくらでも」
「そう言って聞かなかったことにする気だよね」
「暇な時なんてありませんけどね……ってそれすら言わせてもらえないんですか」
付き合い長いだけあって何考えてるか読まれてるわ。
「助けてくれたら報酬は払うよ。アンナの事業の足しにでもしなよ」
「ええ?僕自慢じゃないですけどお金はそこそこ持ってますよ」
「ボクが払うのは魔法書だよ、スティーヴ。これでも元本家の人間だからね。たくさんあるよー」
なるほど、なるほど?魔法書は貴重な物だ。たしかに報酬足り得るだろう。アンナの事業の足しになるとは思えないけど。
「どうやって使うの?と思ったね。魔法を魔術に落とすのさ。皆が使える技術にするんだ。スティーヴならできると思うなーボク」
ニコニコしている。
ちょっと先生っぽいのムカつくな。さっきまで情けなかったのに。
でも僕の力を信用してくれてるってことで、それは嬉しい。このままあっさり乗せられてしまいそうだ。
「……そういやハルイは?」
「うーん。なんか最近忙しそうなんだよね。悪魔との契約がなんとか?レイヴンとよく一緒にいて話しにくいって言うか……」
「このヘタレ」
レイヴン関係でなにかイベントあるのか。
リエルから話聞いた方が良さそうだな……。
あと先生はなぜかレイヴンが苦手らしい。なんかあったん……だろうね。




