アストレア王国へ。3
おばさんから鍵を受け取って部屋に向かうと俺はまだ機嫌の悪いアリサに話し掛ける。
「アリサ。ごめんって、機嫌なおしてよ」
「別に怒ってない。あたしはどうせリオンから見たら妹ですよー」
「怒ってるじゃん!」
アリサは頬を膨らませながらそっぽを向く。
彼女が何に怒っているのか俺にはよく分からないが、とにかく機嫌を直してもらわないと話が進まない。
そこで俺はアリサにある提案をした。
「アリサ。これからケーキを食べに外に出ないか?」
「うん」
俺は頷くアリサの手を取ると宿屋から外に出た。
先程食事を食べた場所の近くにカフェがあるのをさっきチラッと見ていたのだ。
中に入ると夜ということもあり客も少なく静かな雰囲気で落ち着いている。
俺とアリサは夜空の見える窓際の席に座ってメニュー表を広げた。
メニューを開くとケーキの種類も多く迷ってしまうほどだ。
アリサは俺とメニューを見ながらどれにするか悩んでいる。
「今日はアリサには長時間、魔法を使ってくれたから何個でも好きなのを頼むといいよ」
「……いいの? それじゃこれとこれとこれ」
アリサはそう言ってショートケーキとチョコレートケーキにモンブランを指差した。
俺はチーズケーキを食べることにして店員さんに注文するとしばらくしてケーキが運ばれてくる。
フォークで一口サイズに切り分けて口に運ぶと甘酸っぱいチーズと生クリームの味が口の中に広がる。
隣を見るとアリサも幸せそうな表情でチョコレートケーキを頬張っている。
ケーキを食べる幸せそうな彼女の顔を見ていると俺も自然と笑顔になる。
その後、俺とアリサはケーキを食べ終えて会計を済ませると店を出て宿に戻った。
部屋に戻るとアリサは満足そうにお腹の上に手を置いて笑う。
「お腹いっぱい。夜にこんなにケーキを食べるなんてお母様に怒られてしまうから屋敷ではできないもの。新鮮な体験だったわ!」
「アリサの機嫌が直って良かったよ。やっぱり、アリサは笑顔が一番かわいいな」
「……リオンはいつも、不意にそういう事を言うんだから反則よ」
アリサは頬を赤く染めながらそっぽを向く。
「どうかしたの?」
「なんでもない。明日も大変なんだから早く寝ましょ!」
そんな彼女を見て俺はクスッと笑うとアリサと隣り合わせにベッドに横になった。
明日も早いのに、俺は目を閉じて眠りにつこうとするがなかなか寝付けないでいた。
俺がベッドで寝返りを繰り返していると、アリサが俺の服の袖を引っ張ってきた。




