森の守り神3
剣を構えて一気に加速して行くと、マンモスの巨体が更に近づく。
徐々に大きくなるマンモスにその巨体が如何に巨大で、自分が無謀なことをしているかを実感する。
だが、こいつをここで止めなければ、街の人達も父親であるランベルクも母親と妹も死ぬことになる。
「はああああああああっ!!」
俺は剣を振りかぶると力の限り振り抜いた。
ガキッーン!!
巨大なマンモスの足に当たって弾かれた剣から伝わる感触は生き物を切った感触ではなく、まるでダイヤモンドにでも当たったかと錯覚するほどの手応えだった。
「くっ! 硬い……」
まるで勝てるビジョンが頭に浮かばない。
「リオン! 危ない避けろ!!」
エルロンドの声が耳に届くと同時に大きなマンモスの長く太い鼻が俺に向かって振り下ろされた。
周囲に土煙りが舞う中で俺は咄嗟に横に跳んで鼻の一撃をかわした。
俺が先程までいた場所に巨大な大蛇でも通ったかのような跡が残っている。
地面が抉れているのを見るに、想像以上にあの鼻の威力は凄まじい。
まともに受ければ無傷じゃ済まないだろう。
だが、今の一撃で俺は逆の考えに至っていた。
確かに一撃の威力はある。しかし、そのスピードは黒竜と比べれば数段劣る。
さっきの一撃も、俺の瞳にはまるで蚊でも止まったかのように止まって見えていた。
「勝てる! こいつはでかいだけだ!」
俺は口元に笑みを浮かべて剣を握る右手に力を込める。
剣を構え直すと呼吸を整える。
大きく息を吸い込むとゆっくり吐き出した。
深呼吸をして冷静に目の前の真っ白な巨体に視線を合わせる。
相手はまるで大地が動いているかのような大きな揺れを起こしながらこっちに突進して来る。
俺は巨体の胴体へと飛び乗ると、鼻の上で駆け上がって巨体の頭まで移動する。
俺は全神経を剣に集中させる。そして、俺は右手に持った剣を振りかぶると、巨大な真っ白な頭部に目掛けて力の限り振り下ろした。
ガキッーン!!
やはり、分厚い毛と皮膚に阻まれて剣の弾かれた。
「エルロンド様! こいつの目を狙って火球を!!」
「ああ、分かった!!」
エルロンドは大きく頷くと、手を前に構える。
「炎よ。火球となりて我が前の敵をほふりたまえ! ファイアボール!!」
詠唱を終えたエルロンドはマンモスの目に向かって火球を放った。




