大規模な戦争6
まあ、子供が初めて戦場に来ただけでも衝撃なのに圧倒的なドラゴンという生き物の破壊力を目の当たりにすれば無理もない。
これは俺がなんとかしないと……だが、とりあえず。空にいるドラゴンを地上に引き摺り下ろさないことにはどうにも……
俺は地面に転がっている手頃な石ころを掴み上げると身体強化魔法を発動させながら地面を踏み込んで上空のドラゴン目掛けて思い切り投げた。
投げられた石は物凄いスピードで周囲の空気を巻き込みながら、まるで小さな砲弾のように飛んで行くとドラゴンの胸の中心を射抜きドラゴンは奇声を上げてその場に落下した。
「……これだ! エルロンド様! アリサ! レイラ! ありったけの石を集めて持って来てくれ! 僕がドラゴンを撃ち落とす!!」
「わ……分かった!」
「……う、うん」
「リオン。まかせて!」
3人は急いで言われた通りに石を集めて俺の足元に置いていく。
「よーし! これでもくらいやがれ!!」
俺は石を掴むとそれをドラゴン目掛けて再び投げた。
火の玉のような轟音を響かせながら閃光を放ちながらドラゴンの体に風穴を開け、石に当たったドラゴンの巨体が羽虫のように落下していく。
俺が次々にドラゴンを落としていくのを見ていた周囲の兵士達からは歓声が湧き上がり、鼓舞された兵士達も空にいるドラゴンに向かって攻撃魔法を放ったり矢を放ったりと必死に戦い始める。
俺はその場に集まった石を全て投げ切る頃には空中を埋め尽くす程のドラゴンはもういなくなっていた。
そこに後方にいたはずのランベルクとグランツが馬に乗って先陣の近くまで来ていた。
「ドラゴンの群れを落としたのはどの部隊だ!」
「はっ! 突如として何もない場所から魔法が現れドラゴンを撃ち落としたと報告があり、私が見ましたが巨大な火の玉のようなものが現れドラゴンを打ち抜きました!」
報告を受けたランベルクとグランツは怪訝な顔をしている。
正体不明の何者かがドラゴンの群れを一掃してしまったのだ。その正体不明の強者がいつ自分達の敵になるか分からない。
それは不気味であり恐怖以外のなにものでもないだろう。
得体の知れない何者かの機嫌をうかがわないといけないと言うのは実に奇妙なことだ。




