大規模な戦争
俺は部屋に行くと荷物をリュックに詰め込んだ。
包帯や軟膏にポーション。数日分の食料などをパンパンになるまで詰め込んでいると、そこにレイラがやって来た。
「リオン。どこかに行くの?」
不思議そうに首を傾げながらそう問いかけてくるレイラに俺は頷く。
「ちょっと街を散策してくるんだ。露店なんかで使えそうなものがないか探してくる」
「でも、もう夜遅いよ?」
心配そうに聞いてくるレイラに俺は苦笑する。
「まあ、そうだね。でも、今日の内に行かないといけないんだ」
「ふーん。なら、私も行く!」
「ダメだ! いや……レイラは家に居て僕が出掛けたのをバレないように偽装してくれないか?」
「……分かった」
「ああ、頼むよ」
レイラは俺が大きな声を出したことに驚き一瞬だけ萎縮するような態度を見せた後、小さく頷いた。
それを確認した俺はリュックを背負って部屋を後にした。
剣を布で隠してリュックを背負って屋敷を出る。
俺は後から来たエルロンドと合流して街を出て戦場に向かう。
森の中を2人が歩いていると、俺はエルロンドに言った。
「エルロンド様がいなくなったら、王様が気付くんじゃないですか?」
「そこは心配ない。影武者を用意したからな! 俺は土と光に適性がある。土で依代を作って、光魔法で自我を入れた人形を作ってきた。難しい動きはできないが、日常生活くらいなら余裕でこなせるさ!」
「へー、土魔法と光魔法にはそんな使い方もあるんですね……」
俺が感心しながら森の中を歩いていると、茂みからガサガサと何かが動く音が聞こえた。
俺もエルロンドも剣に手を掛けて戦闘に備える。
その直後、茂みから熊の魔獣が現れた。
グオオオオオオオオオオオオオオッ!!
「あれはグリズリーキングか!」
「グリズリーキング……名前の通りにキングと付くだけあって、でかいですね」
俺とエルロンドは剣を鞘から引き抜くと体の前で構える。
その巨体は5メートルは軽く超えている。
立って牙を剥き出しにして吠えるグリズリーキングは、両手を高く掲げてこちらを威圧するように見下ろしていた。
「エルロンド様……実力を見せて下さいね! 俺はサポートに入ります!」
「ああ! このくらいの相手に苦戦していては戦場では役に立たないからな! リオン、見ていろ!」
エルロンドはそう言って勇敢にグリズリーキングに斬り込んで行った。
大きく振り抜いたグリズリーキングの腕をかわし、エルロンドは懐に潜り込んで剣を振り抜いた。
「はああああああああっ!!」
エルロンドの放った攻撃は確実にグリズリーキングの腹部をとらえていたが、分厚い皮に阻まれてしまって致命傷は与えられない。




