暗殺者の来襲6
それが何かは分からないが、間違いなく激戦になるのは間違いない。
「王様。僕も父上と一緒に戦いたいのですがダメですか?」
「それはならぬ! 子供が一緒では兵士達も戦えないだろう! 子供が首を突っ込むものではない!」
王様に怒られてしまったが、エルロンドの父親である国王からすれば到底了承できないのだろう。
だが、俺も戦いには慣れてきた。黒竜や刺客とも戦った今なら戦える自信はある。
しかし、ここで王様の顔も立てなければ、どんなことになるか分からない。
「……王様。分かりました……諦めます」
「そうだな。それが良い……リオンに何かあれば、ランベルクに顔向けができんからな」
王様にそう俺が言うと、エルロンドがニヤッと不敵な笑みを浮かべた。
「父上。安心して下さい! 私がしっかりと見張っていますから!」
エルロンドはそう言って俺の方を見て笑った。
だが、その笑顔には間違いなく含みがありそうだ。
「……そうか。お前が付いていれば安心だ」
俺達は王様との謁見を終えると、馬車に乗って屋敷に帰る。
その道中、エルロンドが俺の耳元でささやく。
「……リオン。父上にはああ言っていたが、行くんだろ? 戦に……」
「……はい。我が父上の命が懸かっていますから」
「俺も行くぞ? 優秀な家臣を失えば国家の損失になるからな」
やはり、エルロンドは最初から分かっていたようだ。
しかし、傷は癒えたとはいっても子供を戦場に連れて行くのは厳しい。
「エルロンド様。戦場は危険です……やはり」
「リオン……それは君もだろう? 危険は覚悟の上だ! 俺だって強くなっている!」
そのエルロンドの瞳には強い意志を感じられた。
「……分かりました」
「ああ、それじゃー。帰ったら準備をしないとな!」
「はい。早く屋敷に戻りましょう」
俺とエルロンドはそう言って互いにニヤッと笑った。
屋敷に到着すると、アリサが心配そうな顔で俺達を迎える。
「2人共、おかえりなさい。王様との謁見はどうだった?」
「アリサ。ただいま! とりあえず、大人しくしてろ。だってさ!」
「……そ、そう」
アリサは表情を曇らせてうつむくと、覇気のない声で言った。
「アリサ……どうしたんだ?」
「……ちょっと早いけど、先に部屋で休むね」
そう言ってアリサはそそくさと部屋に戻ってしまった。
アリサのいつもと違う態度に不安になりながらも、俺はエルロンドの顔を見る。
だが、アリサには悪いが俺とエルロンドにとっては好都合だ。
さすがに女の子を戦争に連れて行くわけにはいかない。
「……エルロンド様。それではまた一時間後に落ち合いましょう!」
「ああ、しっかり準備して出発しよう! また後でな!」
「はい。また、後で……」
俺とエルロンドはそう小さな声で言い合うと互いにその場で別れた。




