暗殺者の来襲4
エイネスを呼んでエルロンドの傷を見せる。
「どうですか? 治癒魔法で治ります?」
「うーん。そうね……傷もそれほど深くないから大丈夫でしょう!」
エイネスはにっこりと笑ってエルロンドの傷に手をかざすと緑色の光がぼんやりと傷口を照らすとみるみるうちに傷が塞がっていく。
「一体なにがあったの?」
リティスが困惑した様子で俺達にたずねる。
「外で剣の稽古をしてたら突然、刺客が現れて襲われたんです」
「そうなの!? でも、この屋敷には師匠が結界魔法を張ってて、不審者の侵入にはすぐに気づくはず……」
「そうなんですか!?」
俺はリティスの言葉に逆に驚き目を丸くさせた。
エイネスは驚いてる俺に説明する。
「リオンくんには黙ってたけど、リオンくんは特別な能力を持ってるから、こうしたことはいずれ起きると思っていたからね!」
「なるほど、でも今回は反応しなかったのは何でですか?」
「それはその子に聞いた方が早いんじゃないかな?」
エイネスはそう言って縄で縛られて椅子に座らされている女の子を指差した。
女の子は目を逸らしながら黙秘を貫いている。
「まあ、ゆっくり話してくれればいいよ。時間はたっぷりあるからね」
「……あたしは尋問も拷問しても無駄よ」
その言葉は嘘ではないのだろう。彼女の宝石のような紫色の瞳からは強い意志が感じられた。
これは尋問も拷問しても意味はなさそうだな……
俺は睨んでいる女の子を見て思った。
これは信頼を築いてゆっくりと話を聞き出す他ないだろう。
「とりあえず。この子の事をお願いできますか? エイネス先生」
「分かった。任せて頂戴! 尋問という名目でロリに色々しても……」
「……それは禁止です」
エイネスはがっかりしたように肩を落とした。
「リオンくんはどこに行くの?」
「僕はエルロンド様と王城に報告に行きます。リティスさん。先生が変な事しないか見張ってて下さいね」
「分かったわ! 任せて!」
リティスが力強く約束してくれたので、俺は安心してエルロンドと共に馬車に乗って王城に向かった。
王城に着くと、謁見の間に通されて王様に今回の件を報告する。
「王様。本日、屋敷で僕とアリサそしてエルロンド様が襲撃者2名に襲撃を受けました。制圧しましたが、毒を飲んで2名は死亡しました。その際にエルロンド様が負傷しましたが、それ以外は被害はありません」
「そうか……エルロンド。傷はもう良いのか?」
「はっ! 父上。傷はエイネス様に治癒魔法で治して頂きました」
「エイネスが治療したのなら安心だな」
王様は実の息子のエルロンドが負傷したと聞いて、一瞬は驚いた顔をしたが、エイネスが回復魔法を使ったと知ったら安心したように表情を和らげる。
やはり、性癖に難はあるがエイネスがこの世界では最強の魔導師だから信頼されているのだと再確認する。




