暗殺者の来襲3
これでは丸腰と変わらない……
「アリサ! こっちに!」
「うん! リオン!」
俺はアリサを呼ぶと、俺は木剣を敵に向けて構えた。
スピードで勝る俺なら何とかなるが、魔法が使えない状況で木剣しかないアリサには危険すぎる。
「アリサはエルロンド様を守ってくれ! ここは僕が相手をする!」
「分かった。無理しないでね……リオン」
俺はアリサをエルロンドの側に付けさせると、地面を強く踏みつけて敵に向かっていく。
一瞬で弾丸のように敵の前に現れる俺に敵は慌てて剣を振ったが、その動きは俺にはスローモーションにしか見えない。
素早く木剣で剣を弾くと、蹴りで敵を後方に吹き飛ばす。
残っていたもう一人も同じく剣をはたき落とすと、蹴りで無力化した。
倒れている敵の刺客達の側に行くと、最初に気を失っていた敵が起き上がって短剣を抜いて襲い掛かってくる。
「……死ねぇぇええええええええええっ!!」
「おっと! まだ動けたのか!?」
俺は素早く攻撃を交わすと、背後で腕を掴んで動きを封じて地面に押し付けた。
「きゃっ!!」
「……女の子?」
地面に押し倒した衝撃でローブが捲れて口にしていた布が解けると、俺と同い年くらいの女の子だった。
地面に押さえつけられた少女は抵抗を続けている。
「くっ! 離せっ!!」
「君達の目的はなんだ! なぜ僕達を狙った!」
「言うわけないだろ! 早く殺すなら殺せ!」
彼女の体格は小柄で華奢だが力はそれなりにある。俺の身体強化魔法がなければ押さえつけてるのは難しかったかもしれない。
ローブで隠していた結んでいた長い黒髪は乱れ、目に涙を溜めて悔しそうに唇を噛み締めている。
「……父上。申し訳ありません」
抵抗をやめて諦めた様子でひぐひぐと静かに泣き始めた彼女を見て俺は少し可哀想に思えてきた。
彼女を縛り上げると倒れている2人の刺客の方に行くと、男2人は服毒自殺を図ったのか口から血を流して既に絶命していた。
「これは手遅れだな……」
俺は亡くなっている彼等から目を逸らすと、女の子の方へと戻った。
「君の仲間は死んだよ……君を死なせるわけにはいかない。悪いけど目的と暗殺しようとしている敵の情報を教えてもらうよ?」
「……言うわけないだろ? 尋問でも拷問でもあたしは絶対に仲間を売らない!」
「まあ、とりあえず。場所を変えよう……」
俺は女の子を連れて部屋に戻った。
負傷したエルロンドをアリサが部屋に連れて行く。




