暗殺者の来襲2
「それじゃ行くわよ!」
そう言うと待ちきれなかったのか、アリサはすぐに動き出した。
「はっ!」
俺は木剣でアリサの攻撃を受け止めた。
残像を発生させて素早く加速すると、アリサは木剣を構えると周囲を警戒するようにきょろきょろと動き回る俺の残像の中から本体を探す。
「……こっちだ! アリサ!」
俺はアリサが受け止められるくらいの速度と力で木剣を振るった。
「はぁぁああああああっ!!」
アリサは木剣を全力で振り抜いて俺の木剣を弾いた。
後ろに跳んで体勢を立て直し弾かれた木剣を構え直す。
「リオン。どうしたの? 今日は調子が悪いの? いつものキレがないけど……」
アリサは訝しげに眉間にしわを寄せながら、俺の顔を見ている。
アリサに俺が手加減してるのがバレてるのか? まあ、俺も手加減されれば嫌だからな……
俺はアリサを見て苦笑いを浮かべる。
その時、アリサの背後から黒いローブを着た何者かが突然現れてアリサに剣を振り上げ襲い掛かる。
「アリサ!」
「……えっ?」
振り向いたアリサと黒いローブの人間の間に入って俺は剣を弾き飛ばした。
俺は頬を赤く染めながら驚いたように目を丸くさせているアリサの体を抱きかかえながら黒いローブの人間に木剣を向けた。
「……ありがとう。リオン」
頬を赤らめながら俺の腕に抱かれているアリサに微笑む。
「誰だ!」
俺は鋭い視線を向けると、剣を弾かれ後ろに素早く跳んだ黒いローブの人間に向かって叫ぶ。
「……チッ!」
舌打ちする声が聞こえた直後、球状の何かを投げた。
地面に当たって周囲にバリアが張られ、敵が俺とエルロンドとアリサに襲い掛かる。
「炎よ。火球となりて我が前の敵をほふりたまえ! ファイアボール!!」
魔法の詠唱をするとエルロンドの手の平に赤い光が集まり……集まらなかった。
「……なっ、なにっ!?」
ファイアボールが不発に終わり、エルロンドは慌てて木剣で敵の攻撃を受け止めたが木剣を切り裂いてエルロンドの腕を敵の刃がかすめた。
「……うっ! くっ!」
俺は咄嗟に加速して向かってきた敵の腹を殴り、敵を吹き飛ばすとアリサの敵の脇腹を蹴ってエルロンドの元に走った。
「エルロンド様!!」
敵が振り上げた剣が地面に膝を突いたエルロンドに振り下ろす瞬間に、俺は足で敵の腕を蹴って剣を吹き飛ばした。
敵は最初に俺が殴った1人は気を失って地面に倒れていたが、エルロンドが負傷した為に2対2の状態だ。しかし、武器が真剣の敵に対してこちらは木剣では太刀打ちできない。
しかも、何か分からないが魔法も使用できない。




