暗殺者の来襲
庭に出てきた俺とエルロンドとアリサが練習用の木剣を手にした。
じゃんけんをして順番を決める。
「最初は俺とリオンか……よし! さっそく始めよう!」
「はい!」
待ちきれないという様子のエルロンドは嬉しそうに木剣を構えた。
俺も応じるように木剣を構える。
「……よし来い! リオン!」
エルロンドは木剣を構えて俺に向かって叫んだ。
「行きます!」
俺は木剣を構えて一気に地面を蹴って加速した。
「はああああああああっ!!」
俺は木剣を大きく振り上げると、エルロンドの頭上めがけて振り下ろす。
「うおっ!?」
その一撃はエルロンドが反応して受け止められてしまった。
模擬戦ということもあり本気ではないものの、エルロンドが俺の木剣を受け止めたことに驚いた。
「あれに反応できるとはやりますね!」
「俺もリオンの動きに慣れてきてるからな……手加減は無用だ!」
エルロンドはそう言うと木剣を横に薙いで俺の木剣を払う。
そして、そのまま俺に向かって攻撃を放った。
俺はその一撃を避けると、後ろに跳んですぐに体勢を立て直す。
エルロンドの反応速度は明らかに上がっている。あまり生半可な攻撃では逆にこちらがやられかねない。
「くっ……」
エルロンドは俺の一撃をなんとか避けた。
「どうだ? 少しは強くなったと思わないか?」
「まだまだですよ! もっと速くできますから……」
「そうか、ならもっと頑張らないとな!」
エルロンドは木剣を構えて再び地面を蹴って突進してきた。
俺はその攻撃を捌きながら反撃する。
お互いに一歩も引かないまま、木剣を打ち合う音だけが庭に響き渡る。
こうして剣を交えていると、エルロンドもだいぶ俺の動きに慣れてきたと思う。
俺との模擬戦の度に着実にエルロンドも力をつけてきている。このままでは、いずれ追いつかれてしまうかもしれない。
しかし、今はまだ俺の方が強い……
疲れてきたエルロンドの一瞬の隙を突いて、残像を発生させながら距離を詰めるとエルロンドの首筋に木剣を突きつける。
「くっ……参った」
エルロンドは全身の力が抜けたように膝を折った。
勝負がついたのを見て、アリサが意気揚々と前に出て来る。
「……さあ、次はあたしの番ね!」
アリサは木剣を構えて俺の方を見た。
低い姿勢で構えるアリサは俺の攻撃を待ってもいいし、自分から斬り込むこともできる万能な構えだ。
これは油断すると痛い目を見そうだな……
俺は気合いを入れ直してアリサに木剣を構えた。




