アストレア王国の王城に潜入。6
だが、俺の力で閉じているから絶対に開かれることはない。
「ダメだアリ……ヒトミ! このままだとドアノブの方が壊れる!!」
「分かったわ! アイ! ほら、リリエ……ル、ルイ! 泣いてないで立って! 逃げわよ!!」
「うぅぅ……こんな姿にされてしまって……もう。およめにいけないぃ……」
泣きながらそう弱々しく言ったリリエスの方を見ると、彼女は俺と同じようなレオタードの格好になっていた。
「ほら、立って! あたし達があなたをここから助けてあげる!!」
「……わたしをここから?」
床に座り込んでいたリリエスはアリサの方をキラキラと瞳を輝かせて見上げる。
その直後、耐えられなくなったドアノブが破壊され扉が開かれる。
「くっ! この!!」
俺は咄嗟に扉を全力で蹴り飛ばすと、鉄製の扉が吹き飛んで外にいた兵士達を巻き込んで城の壁を破壊し辺りに土煙が立ち込めた。
その音を聞きつけて大量に兵士達がガシャガシャと鎧を慣らしながら集まってくる。
「……ルイ! 俺に掴まって! ヒトミ!」
「……白馬の王子様?」
俺はリリエスはお姫様抱っこして抱き上げると、頬を赤らめながら潤んだ瞳でリリエスは俺を見つめている。
「了解! ひとまず。逃げるわよ! アイ! ルイ!」
俺達は部屋を飛び出すと、そのまま廊下を走って逃げる。
廊下を走りながらリリエスが俺に言った。
「お父様を……国王陛下を助けて下さい! 今のお父様は、魔法を使う人間を邪教と言って魔物と同格に扱う教団の教祖のベルフールによって操られている。それを救い出したい! 協力して頂けますか?」
「分かった。なら、まずは王様に会ってみよう! 君が話せば分かってくれるかも知れない。ダメなら別の方法を試せばいいんだから」
リリエスに向かってそう言った俺は彼女に微笑んだ。
「そうだよ! あたし達も協力するから、きっと大丈夫!」
「……おふたりとも、ありがとうございます」
笑顔でそう言ったアリサに、リリエスは瞳に涙を浮かべながら頭を下げる。
俺達はリリエスの案内で城内を走り、国王の部屋に向かう。
途中何度も兵士達と遭遇するが、それをやり過ごしながら、ついに国王の部屋にたどり着いた。
国王の部屋なだけあって扉の装飾も豪華で、簡単には開かないように重い金の分厚い扉だった。
だが、身体強化魔法を使える俺には容易い。
俺は抱きかかえていたリリエスを降ろすと、分厚い扉に手を掛けて力を込める。
すると、分厚い金の扉が轟音と共にゆっくりと開いた。




