アストレア王国の王城に潜入。5
「えっ? 女の子?」
「あなた達は……その格好……変態さんですか?」
女の子は俺とアリサのレオタード姿に怯えたような羞恥心に震えていた。
俺は自分の変わり果てた姿を改めて確認すると叫び声を上げる。
「やめろ! 見るな……見ないでくれぇぇえええええええっ!!」
レオタード姿の自分の股間と胸の辺りを押さえながら顔を真っ赤に染める。
「なんで? 可愛いのに……」
不服そうな顔でそう言って口を尖らせているアリサ。
その後、驚いている女の子にアリサが話し掛ける。
「あたしはアリサ! あなたのお名前は?」
「私はリリエス……リリエス・アストレアです」
「アストレアって…この国のお姫様!?」
アリサはリリエスの名前を聞いて驚いた様子で目を見開く。
だが、彼女は少し悲しそうな顔でうつむいた。
「……はい。姫と言っても、魔法を使える私は疎まれた子ですから……この部屋にも幽閉されているのです」
リリエスは瞳に涙を浮かべながら弱々しい声でそう告げた。
その時、兵士達の声が聞こえてくる。
「この辺りはもう探した! 侵入者はどこに消えたんだ!?」
「ここら辺で探してないのは呪い姫の部屋くらいか?」
「だが、大丈夫か? 呪い姫に近づくだけで祟りに合うと言われているぞ!」
「今は緊急時だ。探さないわけにもいかないだろう……」
兵士達が扉の前で騒いでいる。
「そこの扉を開かないようにしてて!」
「あっ、分かった!!」
「さて……こっちも早く準備しましょう!」
「……なんでレオタード持って近づいてきてますの!」
「大丈夫。恥ずかしいのは最初だけ……すぐに慣れるから……肌触りも通気性も良くて、きっとクセになっちゃうわ……」
「いや……やめて……こっちに来ないで……やだぁ……いやぁぁああああああああああああああああああっ!!」
扉を閉めているからアリサ達の方は見えないが、なにか犯罪臭のする言葉とビリビリと布の裂ける音に合わせてリリエスの悲鳴が部屋中に響き渡った。
その悲鳴は扉の前にいる兵士達にも聞こえていたらしい。
リリエスの悲鳴が扉の外にまで響き渡ると、扉の前に集まった兵士たちが慌てふためいた。
「おい、なんだ!? 今の悲鳴は!?」
「呪い姫の部屋からだぞ!」
「祟りか? 祟りが始まったのか!?」
「馬鹿なことを言ってる場合か! 開けるぞ! なんだ!? 開かないぞ!?」
「祟りだ!! 呪い姫の怒りで扉が開かなくなったんだ!!」
「馬鹿が!! 中から誰かが締めているんだ!! ここを開けろ!!」
兵士たちが扉に手を掛けてガチャガチャと強引にドアノブを回す。




