アストレア王国の王城に潜入。3
アリサは少し考えて思い付いた様子で言った。
「……思ったんだけどさ。バレないように潜入するのが難しいなら、堂々と潜入すればいいんじゃないかな?」
「どういうこと?」
俺はアリサに聞き返すと、彼女は笑顔で言葉を返す。
「だってさ、警備が厳しいんだからさ。バレないで忍び込むなんてできないじゃない? なら、逆に王城に入って内部を混乱させればいいじゃない」
確かにアリサの言うことは一理あるかもしれない。
警備が完璧ということは、まさかそこに入ろうとする人間がいるとは夢にも思わないだろう。ならば、その油断が逆に付け入る隙になる可能性は十二分にある。
「でも、このままの格好で潜入するわけにもいかないだろ?」
「大丈夫! あたしに任せて! そんな事もあろうかと……」
アリサはそういうとリュックの中からゴソゴソと何かを取り出した。
それは三姉妹の怪盗のような衣装だった。
「これ……どこかで見た記憶がある気がする」
「そう? 気のせいじゃない? それよりリオンは女装しないといけないからお化粧しなきゃ! あたしに任せといて……可愛くしてあげる」
「……嘘だろ? や、やめろー!!」
俺は化粧道具を持って不敵な笑みを浮かべながら近づいてくるアリサに恐怖を感じて叫び声を上げた。
アリサにされるがまま、化粧をされた俺にアリサが鏡を向ける。
「ほら、出来たよ! リオンすっごくかわいい!!」
「……もう、お嫁に行けない」
鏡に映し出された俺はもうすっかり女の子になっていて、俺は羞恥心から顔を真っ赤に染めながら地面にしゃがみ込む。
「大丈夫! リオンがお嫁に行けなくなったらあたしが貰って上げるから! それより、早く行こ! 王城に潜入するんでしょ?」
「そうだった! 行こう! アリサ!」
レオタード姿の俺とアリサは宿屋の窓から飛び出して行く。
走る俺とアリサは家の屋根を飛び越えながら王城に向かった。
王城に着くと、やはり見張りの兵士が高くそびえ立つ城壁の周りを見回っていて入り込む隙もない。
「……行くよ! アイ!」
「なっ、アイ?」
「コードネーム! あたしはヒトミね!」
アリサはにっこりと笑うとウインクして俺の手を取って走り出す。
それに気づいた警備兵達が声を上げる。
「何者だ! 止まれ!!」
「まだ子供じゃないか!? 待ちなさい!! ここは立ち入り禁止区域だぞ!!」
兵士達が走り出す俺とアリサの後を慌てて追いかけてくる。




