アストレア王国の王城に潜入。2
俺とアリサは食事をする為に食堂へとやってきた。
メニューを開いて肉とポタージュスープを頼む。
しばらく待っていると、肉とポタージュスープがテーブルに運ばれてきた。
肉は大きく切られた牛肉にニンニクを切って油で揚げたフライがこれでもかと盛られている。
「これはすごい! ニンニクが肉を覆い隠すくらい乗ってる!」
「お客さん。他所の国の人かい? 我が国ではニンニクは聖なる食べ物として広がっているからねー。驚くだろう?」
俺が驚いていると店の人が教えてくれた。
その人は「ごゆっくり」と言って戻って行く。
「さあ、食べよう! せっかくの料理が冷めてしまうからね!」
「ええ、もうお腹がペコペコ……いただきまーす!」
俺はまずはスプーンでポタージュスープをすくって飲んでみる。
細かくすり潰したじゃがいもの甘みが広がりとても美味しい。
そして次にフォークを使って大きな肉塊を一口サイズに切り分けて口に放り込んだ。
噛み応えのある肉は噛めば噛むほど肉汁が滲み出てジューシーで美味しい。そこにニンニクの強い風味が合わさり食欲をさらに掻き立ててくる。
「美味しいな!」
「うん! 美味しい!」
アリサは幸せそうな表情をして食事を楽しんでいる。
俺とアリサは料理を食べ終えると泊まる宿の部屋に向かう。
今夜の王城への潜入作戦をアリサと話し合う為だ。
「ここなら、他の人間に聞かれる心配もないだろう」
「うん。王城に潜入する方法でしょ?」
「ああ、あの高い壁は容易には突破できないと思う」
俺がそういうと、アリサも小さく頷いた。
「うん。あたしもそう思う……魔法を使えば簡単なんだろうけど、魔法を使ってしまえばあたし達を利用してまた戦争を起こしかねないもんね」
「そうだ。だから、僕達は魔法をバレずに潜入しないといけない……」
そう、俺達は魔法を使えるとバレてはいけない。
もしバレればそれを口実に報復と称して必ず攻めてくる。以前も暗殺者を差し向けておきながら、平和の使者をこちらが殺したと戦争を仕掛ける国家だ。
今度もなにを言い訳に使ってくるか分かったものではない。
「それで、どうしよう……」
「誰にも見つからずに王城に潜入する方法……変装するとか?」
「……誰に?」
俺はアリサのその問いに苦笑いを浮かべるだけだった。
「はぁ……呆れた。なんの案もないのね……」
「……面目ない」
頭を掻きながらそう言った俺を見て、アリサはため息をついた。




