アストレア王国の王城に潜入。
俺とアリサはアストレア王国の中に潜入することに成功した。
「これからどうするの?」
「そうだなぁ……まだ、陽が高い。もう少し暗くなってから王城の中に潜り込もう。まずは、その下見からかな?」
「うん! スパイってわくわくするね!」
アリサは目を輝かせながら言う。
「ああ、そうだね」
「でも、どうやって中に入るの?」
「それは、城を見てから考えるさ!」
「そっか! じゃあ早く行こう!」
「ああ、そうだな」
俺とアリサは王城に向かって歩き出した。
王城の門の前に到着した。俺とアリサは城の門番に立っている兵士達の武器と防具を観察した。
長いハルバードと中世のメタルメイルはまさに異世界の兵士という感じだ。
門番の兵士に怪しまれないように気をつけながら、遊んでいる子供を装って城に出来る限り近づいた。
城の城壁は高くよじ登るのは難しそうだが、アリサの風魔法があれば容易に越えることが出来るだろう。
だが、越えたところで衛兵に見つかってすぐに捕まってしまう。
エルロンドのような光魔法が使えば、光の屈折率を操作して姿を消すこともできるだろうが、俺は勿論、アリサも光魔法には適性がない。
元々光魔法は王族が使える魔法だ。全部の魔法に適性があるイレギュラーもいるがそれは師匠のような一部の天才だけで、一般的に習得は不可能とされている。
「どうやったら兵士に見つからずに王城に忍び込めるだろう……」
「うーん……ぐぅ~」
考えていたアリサのお腹の虫が鳴いて、アリサは顔を赤く染めながら誤魔化すように笑う。
「あはは、考えてたらお腹が空いちゃった……とりあえず。お腹が空いたし、何か食べましょう!」
「そうだね。ご飯を食べないと思い付くものも思い付かないか……なにか食べに行こう!」
俺はアリサの手を引いて走り出した。
食事をしに王城から街に戻ると、俺とアリサは街の繁華街を歩いて店を探す。
アストレア王国では俺達の文化とは明らかに違う。いや、現実世界の中世ヨーロッパらしいと言った方がいいかもしれない。
魔法のないこのアストレア王国では火を薪で起こしたり、水瓶から汲んだ水を煮沸して使っている。
これは魔法が当たり前の俺達の住むグランベルン王国とは明らかに違う。
火は魔法や魔法を封じ込めた魔法石を使うし、水は魔法で出してそのまま使うか、水魔法に適性がある人間から買う。
雷魔法で簡単な電気製品や電灯なども使える。
こちらのアストレア王国ではオイルランプを使っているようだ。
明らかに文明のレベルが違う。その雰囲気が逆に中世ヨーロッパに転生したような不思議な感覚になって気持ちが昂ぶるのを感じた。




