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拘束奴隷と自由な傭兵  作者: 内山スク


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硬龍ガンドランド

 体長二十メートルある巨体きょたいが、身体をふるわせまとわりついた土をはらい落とす。

 足についた鋭利えいりな爪は地面に爪痕を残していた。

 硬龍ガンドランド。目の前で見ると威圧感と圧迫感がヒシヒシと伝わってくる。

 ガンドランドは目の前の俺とルイン、リーフには目もくれず吹き飛ばした野営地に散乱していた鍋や剣を食べ始めた。


「金属を食べているのか?」


 俺の疑問にルインは剣を構えながら答えた。


「ガンドランドは金属を取り入れることで自身硬さを保っている。ここを狙った理由もわかったぞ」


 ルインが持つ剣の刀身は青く金色の線や点がついた不思議な紋様が施されていた。


「ルイン、お前それ。魔装具まそうぐか?」


「ああそうだ。ガンドランドのために持ってきた。まぁ見てろ」


 ルインはそういうとガンドランドに突っ込んでいった。

 ルインの剣をガンドランドの硬い鱗に突き刺した。

 当然、岩のようなガンドランドの体表には傷ひとつついていない。


「水流よ! 巻き起これ」


 ルインの言葉に反応するように青い刀身が光り輝き剣から水が湧き出した。

 水はまるで刃のように形を変えると、ガンドランドの鱗を貫通した。


「グオォォォォォォォォォ」


 ガンドランドは痛みからか大きな鳴き声を上げた。


「すごいなルイン!」


「へへーん、魔装具まそうぐアクアブレード。お気に入りの魔装具だぜ」


 ガンドランドは尻尾を叩きつけて、ルインを潰そうとするがルインは簡単に尻尾を避けて見せた。


「やるなルイン! リーフあまり離れるなよ」


「承知致しました」


 リーフとの距離を測りながら、俺はガンドランドの前足に思いっきり剣を叩きつけた。


「うおおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 剣を叩きつけた部位の鱗が周りに割れ飛び散った。

 

「グオォォォォォォ!」


 再びガンドランドの断末魔が静かな草原に響き渡った。

 そして俺を引きった顔でルインが見ていた。


「お前・・・ガンドランドの硬い鱗を剣で叩き割るとか、どんな筋力してるんだ?」


「これくらい王国にもできるやついるって」


「いやいない」


 ルインと会話しているとガンドランドの爪が真横に迫っていた。

 俺は剣を縦に構え、ガンドランドの爪を剣で受け止めた。

 ギィィィィィィという金属が削れる音が耳に響いた。

 だが数秒してその音はやみ、ガンドランドの爪は動きを止めた。


「どうした? ガンドランドそんなもんか?」


 ガンドランドの注意が俺に向いている隙に、リーフはいつのまにかガンドランドの背中に登っていた。

 そしてリーフはガンドランドの頭の上に乗ると、持っていたナイフでガンドランドの右目を突き刺した。


「グオォォォォォォ!」


 右目を潰されて悶絶するガンドランドを見ながら、ルインは剣を構え追撃の準備をしていた。

 ルインの剣の刀身には水流が坂巻いていた。


「アクアブレス! 」


 振るわれたルインの剣から圧縮された水の柱が放たれガンドランドの胸部を貫通した。

 ガンドランドは悶絶し、身体をくねられた。

 流石に身体を貫通されたらガンドランドでもひとたまりもあるまい。

 鱗を叩き割るのにパワーを使うから面倒と思っていたがルインのおかげで簡単に終わってよかった。

 すると悶絶しくねくねと身体を動かしていたガンドランドの身体から何かが上空に射出された。

 目を凝らして見てみるとそれは人の形をしていた。

 黒い髪を上空でたなびかせた赤いマフラーをした少女。

 そう、リーフが暴れ回るガンドランドの背中から上空に吹き飛ばされたのだ。

 リーフの小さな身体は、ガンドランドのパワーで簡単に空へと吹き飛ばされてしまうことを、俺は考えていなかった。


「やばいやばいやばいやばいやばいやばい!」


 リーフとの距離に気を配っていたが、さすがに上空に射出されることは考えていなかった。

 俺の顔は今青ざめていることだろう。

 首についた首輪の冷たさを感じられなくなるほど、死への恐怖が俺の身体から体温を奪う。

 目測でも四十メートル以上離れている。

 俺は急いでガンドランドの背中に登り、ガンドランドの背中から思いっきりジャンプした。

 吹き飛ばされたリーフは勢いを失い、地面に落ちてきた。

 それを俺は両手で優しくキャッチするために、お姫様抱っこで受け止めた。

 リーフは目を見開き驚いた顔をしたが、すぐに無表情に戻った。


「ありがとうございますザインガル様」


 お礼を言われたことよりも、リーフの驚いた表情を見たのが新鮮だったせいかリーフの言葉に反応するのが遅れた。


「え? ああいや・・・怪我ないか?」


「大丈夫でございます」


「・・・そうか」


 何故かリーフの顔を直視できなかった。頭の中にリーフの驚いた表情が浮かぶ。

 そしてもう一つ可愛かったという単語が頭を埋め尽くした。

 先ほどまで冷え切っていた俺の顔がっているのを感じた。

 地面に着地するとルインが駆け寄ってきた。


「ほーう、仲間である女性を助けるために危険を帰りみないとは・・・やるなザインガル」


「うるせぇ! しばき倒すぞ!」


 リーフをそっと地面に降ろすと、俺は草原に横たわったガンドランドに目を向けた。

 ピクリともしないガンドランドの胸部には大きな風穴が開いていた。


「ガンドランド討伐完了だな」


「ああ、お疲れ」


 俺とルインは互いに顔を合わせ笑い合うと、拳をお互いに突き合わせた。

 これで目標の一つである硬龍ガンドランド討伐が完了した。

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