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小説を書く練習をする。  作者: 上松
9/9

8、異世界転生するということ

やっぱりテンプレは最高だな!

「いやー、異世界転生って、本当にいいものですねー」


「ねえねえ上松君」


「なんだい竹中さん」


「私も最近そのサイト見るんだけどさ」


「うん」


「ランキング酷いわね」


「それはタブーだよ竹中さん!」


「え?そうなの?たまたま日間週刊ランキング見た時、上位が全部異世界ものだった時は流石にどうかと思ったわ」


「タイミング、かなー?」


「その顔は分ってる顔ね」


「あはは……まあそうだよね、でも皆が好きなジャンルではあるし、需要と供給が合ってるって事じゃないのかな」


「そうね……そうなんでしょうね……最初は目新しくて楽しく読めたのよ、その後の似たような話もね」


「分かる、分かるよ」


「でもそうね、四つ目五つ目ともなるとこう……来るものがあるのよね」


「そうなんだよ、更新された連載とか見て、そのタイトルでも異世界転生かよ!ってなるよね」


「お前もか!って言いたくなるわよね、何も転生である必要性を感じないものも多いし」


「え?だって転生ものはテンプレだし……」


「そうなのよね、とりあえずニートである主人公が死んで転生っていうテンプレぶっこんどきゃいいという風潮……ってこれ上松君の台詞だったかしら」


「いやいいんだ、君も僕の気持ちが少しは分かってくれたみたいだね、嬉しいよ」


「ランキング上位ほぼ独占だものね、上松君の話を大きく否定出来なくなりそうだわ」


「でしょ?僕もテンプレを押さえつつ面白い話が書けないか試行錯誤してるんだよ」


「でもニート主人公が死亡は止めてね」


「え?なんで?最近はニートじゃないのも多いよ?オタクってのは外せないけどね」


「だとしても主人公死に過ぎでしょう、そして自分の死を受け入れるの早過ぎでしょう」


「まず主人公が死にます、転生します、ここからがスタートです……確かに可笑しな話だね」


「そうなのよ、それならそもそも転生の件、もっと言えば神様に会うだとか余計なものは切り捨てて、転生後スタート第一話で良いでしょう」


「テンプレ化されてるからなおさらだよね」


「そう、あとね、殺すの躊躇無さ過ぎ、多少の葛藤はあっても割と直ぐ受け入れるし、いきなり人間やっちゃうのとか言語道断」


「確かに僕もそれには違和感あるんだよね、だから出来るだけ人間殺さないようにしてる作品は好感が持てるなあ」


「……でもちょっと待って、命を軽く見てるっていう共通点はあるのよね」


「ああ、転生した自分の命とか、他人の命とかか」


「それならもう、そういう感覚がとち狂ったキャラにすればいいのに、変に常識人なのよね、主人公って」


「でもほら、主人公は万人受けしなきゃだからさ、常識人にならざるを得ないんだよ」


「ああ、何か納得しちゃった」


「何がだい」


「仲間が死んじゃう話とかあるじゃない?」


「仲間の死を乗り越えて強くなる主人公!熱い展開だね!」


「自分や他人の命を軽く見るような人物が、仲間の死にだけは感情を揺り動かされる……何だか感動するようで矛盾を孕んだ薄っぺらい展開よね」


「竹中さん!それは敵作り過ぎでしょう!」


「……そうね、言い過ぎだったわごめんなさい」


「危ない事言うなよ」


「……煩いわね、まあ、その後主人公に変化が表れるっていうなら素敵だわ」


「素敵だよね!」


「それが無ければただの身内贔屓だけど」


「止めてくれ!」


「……まあ兎も角、死なない展開にしてよね」


「テンプレ外しかあ、うーん」


「何で納得しないのよ……そうね、転生するとして、転生後はどうなるの?」


「貴族やモンスターになるパターンが多いかな、もしくは勇者召喚か逆に魔王になったりだとか、人外だとダンジョンになってるとかが最近のブームかな」


「ダンジョンになってるとか何それ意味分かんないわよ、まあ貴族とモンスターが同列に扱われてるのも突っ込みたい所だけれど」


「意味わからないから主人公が現代知識を駆使して頑張るんだよ」


「ふーん、因みにそれ、どんな設定なの?」


「大体ダンジョンマスターかダンジョンコアに転生して、ダンジョンを大きくしていくっていう話」


「大きくって、成長するって事なのね」


「そうだよ、多くの人間を迎え入れるのが目的かな、生かすにしろ殺すにしろ」


「ゲーム感覚なのね、要するに」


「あー、罠設置とかレイアウトとかそのまんまゲームと置き換えていいかもね」


「で、それって終わりは何なの?」


「終わり?え?」


「攻略されるのはバッドエンドでしょう?だとしたら小説の終わりは何になるのかしら、本人も知らなかったけど攻略されたら人間の姿になってダンジョンから解放された、とか?あまりにもあんまりな展開ね」


「それは流石に僕の中でもご都合主義展開すぎるなあ」


「で、終わりはどんなのがあるの?私は読んだ事ないから教えて」


「僕も数えるほどしか読んでないんだけどさ」


「うん」


「完結作品は読んでないんだよなあ……」


「……ダメじゃん」

ダンジョン物は大長編が多いよね(言い訳)



竹中「ニート死に過ぎ……はっこれは!ニート死すべしという社会風刺なのか?!」

上松「おいやめろ」

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