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黒瀬部長は部下を溺愛したい  作者: 桐生桜


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9/15

CASE:9 やっぱり好き

 来週のプレゼンに向けて、慧とふたりで作業をすることに。会議室で資料を並べていると、慧がすっと隣に腰を下ろす。


「……あれ? 部長、反対側じゃなくていいんですか?」

「画面、見づらいでしょ。こっちの方が見やすいから」


 それだけ言って、莉央のすぐ隣に座る。距離、ほんの数センチ。画面を覗き込む慧の息がかかるほど近い。


(ち、近い……!)


 慧は平然とした顔でパソコンを操作していて、全然動じる様子がない。けれど莉央の心臓は、すでに爆発寸前。


「……これ、どう思う?」

「あ、え、っと……私は……」


(集中できるわけないじゃん!!)


「………?」


 莉央がモニターから目を逸らしたのに気づいて、慧が少し覗きこむ。その顔があまりに近くて、思わず横へよろけてしまう莉央。


「わっ……!」

「危な!」


 そのまま、慧の腕が莉央の腕を支えて止める。すぐそこにある顔、腕から伝わる温度。莉央は心臓の音が慧に聞こえるんじゃないかと本気で焦る。


「……大丈夫か?」

「だ、だいじょうぶ……です……」


(やば、むり、今のなに!?)


「顔、赤い」

「え、そんなことないですって……!」

「……そっか」


 そう言いながら、慧はふっと優しく笑って、莉央の頭を軽く撫でる。


「っ……!?」

「頑張ってるの、ちゃんと見てる……無理しなくていいから」


 その声も、優しすぎる手つきも、全部反則。


(やっぱり好き……だめだ、耐えられない……)


「白石……顔に出すぎ」

「で、出てませんっ!!」

「……ふっ、そうか」

「~~~~っ!!


(ほんとにもう、ずるい……!!)


To be continued

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