第6話 いざ!ダンジョンへ!
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
正樹が訓練に参加し、2週間が経過しようとしていた。
「いよいよ、明日はダンジョンですな、マサキ殿は準備万端ですかな?」
グレイヤは休憩中の正樹に話しかけた。
「まぁ、簡単にはやられない程度には」
正樹はお茶を濁すような言い方をしたが、タイマン勝負ではほぼ負けないと思っていた。
レイヤとの勝負でも、ギリギリ負けるように調整していたぐらいだった。
ただ、グレイヤ相手では勝てるか不安が残るのだが。
「いざとなったら我々がなんとかしますので、大船に乗ったつもりでいてください」
いつものようにバンバンと背中を叩いて、わははと笑いながら去っていった。
(出来うることはすべてやったはずだ。あとは、どこで仕掛けてくるか)
夜、ベッドの上でダンジョン内でのシュミレーションを行っていた。
コンコン
不意にドアがノックされた。
「マサキ様、お休みのところ申し訳ありません。少しよろしいでしょうか?」
リューイの声だった。
リューイとは年も比較的近く、関わることも多かったので、城の中では一番心を許していた。
「あぁ、大丈夫、どうかした?」
ガチャと扉を開けて入ってきたリューイは少しどころかかなり緊張している様子だった。
その様子に少し違和感があった。
「マサキ様、明日のダンジョンが無事に終わるようにこちらを」
リューイが差し出したのは小さなクリスタルのついたペンダントだった。
「こんな高価そうなの受け取れないよ」
正樹は断ったのだが、
「これは、うちの家系に伝わるお守りです、無事に帰ってきたらお返しください。そう約束するためのものです」
リューイはやはり緊張しているのか、目を合わせずに言った。
正樹はリューイの顔とペンダントを交互に見つめ、
「わかった、ありがとう、借りていくね」
ペンダントを受け取りその場に身に付けた。
「はい、お気をつけて、おやすみなさい」
リューイはお辞儀をすると慌てて部屋を出ていった。
翌日、ダンジョンの入り口に騎士団十数名とグレイヤ、正樹が整列していた。
「これよりダンジョンにて必要な資材獲得に向かう!各人油断なきよう!」
グレイヤの鼓舞により突入メンバーは気を引き締めた。
「では!出発!」
グレイヤとマサキを先頭にダンジョン内に入っていった。
「マサキ殿、そういえば目的の資材はどの辺にあるんでしたか?」
ダンジョン内を歩きながら、グレイヤが質問してきた。
「運が良ければ10階に、最悪15階には必ずあるはずですよ」
「15階にあるといえば、ディアル鉱石ぐらいですが?」
「そのディアル鉱石が必要なんですよ、あるアイテムを作り出すのに」
ディアル鉱石はエンデリオン内のダンジョンでのみ取れる鉱石だが、採掘量も多くなく、あまり使い道がないため、原産といってもたいした利益は産み出していなかった。
それが必要という正樹の答えに疑問を覚えながらもグレイヤは攻略を進めていった。
(そろそろ来るかな?)
目的のディアル鉱石がある15階の部屋に入った。
正樹が入った瞬間に正樹の足元に魔法陣が展開された。
「これは!転移トラップ!マサキ殿!」
グレイヤが慌てて手を伸ばしたのを正樹は制止し、
「大丈夫です!それよりも鉱石を必ず持ち帰ってください!俺もちゃんと戻りますんで!」
そう言った瞬間に正樹は転移した。
正樹はボス部屋の前に転移させられていた。
(信じたくはなかったが)
リューイから預かったクリスタルを鑑定した時に(転移トラップクリスタル)の表示が出たので、警戒はしていた。
(しかし、リューイ本人の意思なのか誰かに唆されたのか、無事に帰って確かめないとな)
転移させられたため、ここから地上に戻るよりボスを撃退しボス部屋の奥の転移魔法陣から地上へ戻った方が早い。ボスを倒せればになるが。
正樹はステータスを開き、自身の能力でボスを倒せるか確認した。
レベル16
初級ダンジョンのここをクリアするには余裕だった。
正樹はボス部屋の扉を開けて中に入っていった。
つづく
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