第5話 腕試しとスキルツリー
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
クエスト報告のおかげで、正樹は事前に暗殺の企てを知ることが出来たが、誰がいつ来るのかはわからなかった。
おそらく、ダンジョン攻略中を狙って来るはずだが、メンバーも決まっていないのに特定するのは困難だった。
(さすがにアリアに相談するわけにもいかないな)
今回は自分で対処しなければならなかった。
アリア自身が暗殺の指示者かもしれないし、余計な心配をかけて、ダンジョン攻略がなくなるのも問題があった。
(さて、ステータス的には1対1ではそうそう負けはないが、暗殺スキルがあると厄介だしな)
ちょうど、訓練に参加するし、そこで自分のステータスの確認とあやしい人物のピックアップをすることにした。
午後、訓練場にて
「というわけで、英雄のマサキ殿にも本日より訓練に参加して頂くことになった。皆はいつも通り訓練をし、マサキ殿に情けない姿を見せぬように気を引き締めてやってもらいたい!では、訓練開始!」
グレイヤの号令で、兵士達が各自の訓練に取りかかった。
ある者は素振りを、ある者は模擬線を。
正樹は何をしたらいいのかわからず、突っ立っていた。
「マサキ様、良ければ一手お相手をお願いします」
そう言って、深々とお辞儀をしてきたのは、1人の兵士だった。
見た目から一般兵よりもいい装備なので、隊長クラスなのかと思っていたが
「うむ、第1師団の団長なら怪我をさせることもすることもあるまい、マサキ殿相手をしてやってほしい」
まさかのいきなり団長クラスだった、しかも、第1師団と言えば親衛隊でエリート中のエリートである。
いきなりの紹介で驚いたが、確かにいい相手かと思い、念のため、初期スキルの自軍鑑定にてステータスを見るとステータス自体は正樹が上回っているが、取得スキルの多さと戦闘の練度を考えるといい勝負をしそうであった。
「よろしくお願いします」
そう言って、お辞儀をし試合を了承した。
近くにいた兵士が何人か見学に寄ってきた。
団長との試合となれば滅多にお目にかかる機会はないのだろう。
「では、ルールは魔法なし、目や急所などの攻撃はなし、一撃有効打にて決着とする、両者構え!」
グレイヤの合図で構えを取った。
「第1師団、団長レイヤ参ります!」
「マサキ、お願いします!」
団長の名乗りを聞いて、慌てて名乗り返した。
正樹は元の世界で少し剣道をかじっているとはいえ、本職の技術に勝てるとは思っていなかった。
なので、下手に攻めず隙をついてカウンターを決めるしかないと考えていた。
「英雄殿、来ないのですか?ならばこちらから!」
団長が地面を蹴り、一気に間合いを詰めてきた。
右からの振り下ろしをなんとかいなしたが、痛烈な勢いに体勢を崩してしまった。
団長はすかさず左下から斬り上げてきた。
正樹は崩した体勢を戻さず、そのまま後方へ下がり、ギリギリ回避した。
団長がニヤリとしたと思ったらそのまま突きをしてきた。
さすがに回避できず、後ろに倒れ込んでしまった。そして、首元に剣を当てられあっという間に負けてしまった。
「なかなか初見であそこまで回避されるとは思いませんでしたよ」
笑いながら、団長は腕を引っ張り起こしてくれた。
周りの反応もガッカリどころかむしろ褒めている様子だった。
「今のは団長の十八番技で、初見ではほぼ2撃目で直撃しているですわ」
ガハハっとグレイヤが説明してくれた。
その時、ピンポンっと頭に響いた。
(クエスト、団長との訓練を達成しました。剣術スキルのスキルツリーを解放します)
ピンポン
(初めてのスキルツリー解放に成功しました。ボーナスポイントを付与します)
立て続けに頭にアナウンスが流れた。
(これでなんとか剣は形に出来そうだ、あとは何を取るかと他のスキルだな)
その日は団長と何度か手合わせし訓練を終えた。
つづく
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