第33話 王者の風格
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
時間は遡り、1ヶ月前
ソウヤ平原の大戦から2ヶ月がたった時のシリオンパレスにて
「無事に届いたね」
タレントーラから届いた精霊鏡を見て志乃が言った。
「はい、これで有利になるといいんですが」
シリヴィアが少し不安そうに呟いた。
「大丈夫だって、これを知ってる人少ないもん」
精霊鏡は妖精族が持つと基礎能力が強化されるというアイテムだが、実はシリオンパレスの国有魔法、天鳴る裁きと合わせるとレーザー砲のような使い方ができる
そのレーザー砲も威力はあるが、命中精度が低く、コスパも悪いためあまり使われず極少数にしか知られていなかった。
「命中精度は低いけど今回は的も大きいからうまく行くよ」
志乃は戦略はあまり得意ではなかったが今回はうまく行く、その自信があった。
そのため、決定的なミスを犯していた。
二週間後、シリオンパレス
「そろそろ龍騎連邦に攻め込む準備できた?」
志乃はあっけらかんとシリヴィアに聞いた。
「全体の8割といったところでしょうか?相手が相手なので万全を期してもまだまだ不安で」
「大丈夫だって、最初に精霊鏡でばーーんってやっちゃえば一気に決まるからさ」
「いえ、そう思ってても慎重にならないといけません。失敗は許されないので」
さらに一週間後
シリオンパレスは龍騎連邦に宣戦布告し、進軍を開始した。
龍騎連邦、王室
「ミーホ、シリオンパレスの羽虫どもが、我々に宣戦布告してきたぞ」
神王龍テラスが美保に報告した。
「シリオンパレスが、ですか、なにか私たちに有効な手段を手に入れたのかもしれませんね、相手の初手は充分に警戒するべきかと」
「なるほど、自暴自棄なったわけではないということだな、それならば此度は私も軍に同行しておこう、それならばなにをされても対処できるだろう」
シリオンパレスと龍騎連邦の国境でお互いが軍を展開し、睨み合いをしていた。
代表による宣誓がなされたあと、銅鑼の音と共に開戦した。
シリオンパレス側
「少し攻撃してから精霊鏡を使います、合図は、アマお願いしますね、貴女の勘が頼りです」
志乃は任せてというように胸をトンっと叩いて見せた。
前線では龍騎連邦のドラゴン1体につき、シリオンパレスは10人程度で対応してギリギリなんとかなっていた。
志乃はどのタイミングで使うか見極めていた。
その時、相手の前線が少し開き、龍騎連邦の王城が射線に入った。
すかさず、志乃は
「精霊鏡を使うよ、目標は龍騎連邦の王城!撃って!!」
国有魔法の天鳴る裁きで集めた雷のチカラを精霊鏡に写し、射出した。
レーザーのようなものが王城へ向かっていったが、その前に突如神王龍テラスが現れた。
テラスは口を開き、パワーを充填した
「なるほど、これが狙いか、悪いがその手は封じさせてもらう、バーストブレス」
充填したチカラが放たれ、精霊鏡のレーザーとぶつかり合い、相殺された。
それを見た志乃は
「えっ、そんな、相殺、された」
膝を崩してしまった。
志乃はテラスの能力を調べていなかった。
相手に対抗できる手段があると考えず、失敗した時のことを想定してなかったため、そこからシリオンパレスは総崩れとなり、龍騎連邦に蹂躙され、結果王都まで攻め込まれ大敗し、今回のアルカンディエル初の脱落者となってしまった。
つづく
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