第31話 弁論攻防
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
停戦に際しての会議が行われた。
ソウヤ平原の中心で会議用の幕舎が建てられた。
エンデリオン側は国の代表プラス英雄の計6人
一方タレントーラ側はタレントーラのトラヌビスと綾、バルカルサスの使者であるガーゴイルのイルサとオーコーリン、テンレンカからはヴァレンティクスのみであった。
「では、停戦についての話し合いを行います」
正樹の仕切りで始まった。
「まず、こちら側からはソウヤ平原以南の土地とタレントーラの財宝の4分の1を要求します」
これはかなり吹っ掛けた提示であった。
このまま通ればよし、通らなくても次の要求は通しやすくなると踏んでいた。
「さすがにそれは吹っ掛け過ぎですね」
タレントーラ側の英雄、綾が応えた。
「適正としてはソウヤ平原は現地点を境界とし、財宝関係についてはどちらも痛み分けで変動なし、ではないでしょうか?」
想定内だが、かなり適正な提示をされてしまった。
「発言失礼します、ならこういうのはいかがでしょうか?」
手をあげたのはシリオンパレスのシルヴィアだった。
「両軍とも同価値の財宝を出し、活躍や損害から分配するというのは?出すのはタレントーラとエンデリオンの2か国ですが」
「たしかにそれなら公平っぽいが、その活躍度などは誰が決めるのか?」
バルカルサスのオーコーリンが質問した。
「そうですね、例えば、国の代表1名による活躍度の上位3国を投票、そこから得票数の多いところからというのは?」
「それだったら、自国投票はなし、自軍・敵軍から最低1国は選ぶということにすれば良さそうですね」
シルヴィアの案に乗る形で志乃が条件を提示した。
各人はこの案を少し吟味していた。
正樹はこの案が採用されると得するのはシリオンパレスとテンレンカ、損をするのはタレントーラとガンラン同盟だとすぐに理解できた。
というか、正樹自身もこの案は考えていたが、自分から出すわけにはいかなかったので黙っていた。
「それでやろう」
トラヌビスはこの案に同調した。
自国が損をするのは理解していたが、代案もなく時間を無為にするのを避けたのだ。
「問題はタレントーラとうちとの財宝の金額ですね」
アリアはあえて出す金額を提示しなかった。
タレントーラ側に提示させることで、条件を飲んだ体で進めたかったからだ。
「うむ、それならこちらは1350万ギムまでだな」
ギムというのはこの世界の共通通貨で、1350万はタレントーラの全財宝の5分の1程度、エンデリオンから見ると6分の1で悪くはない。
「こちらもそれに従いましょう」
アリアはあえて従うという言葉を使った。
正樹がまとめに入る
「では、タレントーラとエンデリオンで合わせて2700万ギム、各国の投票数は3で合計18、つまり、得票数1につき150万ギム相当でよろしいですね?」
全員納得したかと思われた時、
「すみません、シリオンパレスが得票数3越えたらタレントーラさんに出してほしい財宝が有るんですが?」
志乃がさらに条件を出してきた、それもタレントーラに直接。
「出せるかどうかはものによるな」
妥当な返し、すかさず
「精霊鏡がほしいです。ありますよね?」
精霊鏡はゲームでタレントーラが初期から所持している財宝で価値は300万ギム、タレントーラにとってはただのコレクションに過ぎないが、シリオンパレスは自国の強化にほぼ必須といってもいいほどの財宝であった。
「お主はつまり、450万ギムで精霊鏡を買い取るという認識であってるか?」
トラヌビスは買い取りといった。分配だとランダムになりかねないが買い取りなら指定もできる、そして、割り増しであることを暗に提示していた。
「オッケーです」
志乃は即答した。なんなら今回シリオンパレスの参戦はこれを得るためでもあった。
「ほかになにもありませんね。この後、ルール等を記載した書類を作成しますので、確認の上同意のサインをお願いします」
そういって正樹は会議用の幕舎を出た。
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