第30話 停戦に至る
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
拮抗している戦線だったが、突如エンデリオン軍が左翼バルカルサスの側面に現れた。
「どこから現れた!」
「くそ、このままでは」
「逃げなければ」
「逃げるな!迎え撃て!」
様々な声が上がる中、バルカルサス軍のソウヤ平原大戦の総大将、オーコーリンは即座に相手のカラクリを見抜いた。
「落ち着け!あれはエンデリオン軍の国有魔法の蜃気楼だ!幻影は無視し前方に集中しろ!!」
国有魔法とは各国がこの世界大戦中に3度使うことができる特別な魔法である。
強力ではあるがどれも相手に直接攻撃するものではなく能力向上や幻影作成などかほとんどである。
バルカルサス軍は前方に集中し、戦線を押し返そうとした。
幻影軍の後方から巨大な光る剣が現れた。
幻影に隠れて正樹の部隊が側面に回り込んでおり、そこからバスタースラッシュを放とうとしていた。
「しまった!本物も隠れていたのか」
オーコーリンは回避を試みようとするが、タイミング的に間に合わなかった。
敗けを覚悟したその時にバスタースラッシュの軌道上に突然黒い空間が現れそこからヴァレンティクスが出てきた。
「やれやれ、ほんとにこんな作戦を実行するなんてね。知恵者同士の闘いもなかなか興味深いですね」
ヴァレンティクスはゆっくりとした動作で迫り来るバスタースラッシュに手をかざし、
「防御魔法、歪む死の輪舞曲」
発動と同時にヴァレンティクスの前方の空間が歪んだようになり、それに当たったバスタースラッシュは軌道を大きくずらし、バルカルサス軍の後方へ反れていった。
「ふぅ、今回の大戦はよく働かされますね。誰のせいでしょうか」
そう愚痴りながら出てきた黒い空間へ戻っていった。
バスタースラッシュは軍自体には当たらなかったが、反れた先の食料置き場を直撃し、タレントーラ側の継戦能力を奪っていた。
しかし、エンデリオン側も決め手がなく、徐々に押し切られそうになっていた。
夜になる前にエンデリオン側から停戦の提案の狼煙が上がったため、両軍は戦闘を中止し、代表による停戦会議に移行した。
エンデリオン側はアリアと正樹とシリオンパレスのシリヴィアの3名。
タレントーラ側はトラヌビスと綾、そして、オーコーリンだった。
これから停戦会議というなの舌戦による第2ラウンドが始まろうとしていた。
つづく
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