第29話 最後の一手を
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
エンデリオン陣営
「マサキ様、お帰りなさい。その様子だと」
アリアは帰ってきた正樹を見て作戦が失敗したことを理解した。
「あぁ、一番楽な作戦は失敗した。しかも、完全に手を読まれていた。鉄壁要塞の姫の二つ名は伊達ではなかった。おそらく、向こうは膠着状態からの停戦が狙いだろう」
「では、例の作戦、ということですか?」
アリアは心配そうに聞いた。
「そのままだとたぶん防がれるからこちらも停戦するように作戦を実行する」
「つまり、悪あがきの一手、ですね」
アリアはいたずらっ子のように笑いながら言った。
正樹も頷き返したのだった。
中央前線
「伝令!総指揮より作戦をプランAよりCへ変更とのこと」
前線で奮闘している伸治の部隊に指示が来た。
「うむ、ご苦労であった!」
と伸治はそれっぽく返事したものの、
(はて、プランCとはどんな作戦だったか?まぁマサキのことだからオレが覚えてないことも作戦のうちだろう。なので、やることはかわらん!)
「我が部隊はこのまま中央突破し、敵大将を狙う!いくぞーー!!」
「「「おおーーーー!!!」」」
一方、志乃側
「プランCかに変更か、つまり、最初の襲撃は失敗したんだねー。まっマサキも成功するかもみたいなニュアンスだったしね。」
志乃は少し思案し、
「でも、いきなりCか。ってことはひょっとしたらあの鉄壁要塞の姫さんに手の内読まれた感じかな?あたしらが出来ることはっと」
志乃は伝令を呼び、ある指示を出すのだった。
横で見ていた補佐官はその時の志乃の顔を見て、ものすごく悪巧みしてそうだなと後で語ったとのことだった。
「伝令は飛ばした。ノブはそのまま突撃するとして、アマの方は意図を読んでこちらに合わせてくれると信じよう。この際、多少アマに有利に働くが仕方ないと割り切ろう」
改めて、作戦内容を精査していたところにサンガが入って来た。
「隊長、指示通りに準備出来ました。でもホントにうまくいくんですか?さっきの強襲も失敗しましたし」
「今回のはむしろ失敗していいから。でも、こっちが成功する方が有利だけどね」
サンガははぁっと半信半疑ではあったが理解はしてくれたようだった。
「アリア、負担をかけるがよろしく頼む」
正樹はアリアに頭を下げた。
「前線で皆が戦ってくれてますからね、これくらいしないと、私の見せ場がないですから」
アリアは笑顔でそう答えた。
「では、術式準備に入ります。マサキ様も準備を」
「行ってくる」
「ご武運を」
2人はお互いを鼓舞し合い、それぞれの持ち場へ向かって行った。
ソウヤ平原大戦の終幕が着々と近づいていたのだった。
つづく
お読みいただきありがとうございます
毎週月曜の17時を目標に執筆しております
ご感想などいただけると励みになりますので、よければお願いいたします
別作品もございますので、お気に召しましたらそちらもお読みいただけると幸いです




