第27話 作戦開始
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
各陣営が奮闘し、戦線が膠着しつつあった。
正樹達の部隊はというと、タレントーラ側の甲冑を見に纏い、先陣に紛れていた。
最初の魔法による目眩ましは正樹達が紛れる為で、その後の伸治の突撃はカモフラージュだった。
また、その突撃を利用し、ジブラルが負傷したように見せかけた。
「すまない!通してくれ!負傷兵を輸送する!」
「開けてくれ!さっきの突撃をモロに食らったようだ!」
正樹とサンガがジブラルを後方へ運ぶ為に叫んだ。
他の兵達は少しの動揺が見られたが、すぐさま道を開けて通してくれた。
(思ったよりもすんなり通してくれるな)
タレントーラ軍はまだ余裕があるのか、負傷した兵を後方へ運び出しているのが他の隊にもいるように見えた。
後方の治療部隊まで来ると
「向こうの突撃で負傷した、治療をしたいのであっちの奥を借りたい」
正樹は後方の隊長っぽい人物に話しかけて、目立たないところを確保した。
「とりあえず無事潜入完了だ。次の作戦に移る」
正樹は部隊メンバーに声をかけた。
「想像より簡単でしたね」
「ほんとほんと、調べた時はもっと厳重かと思ったのに」
レンとランが拍子抜けしたと漏らした。
「私は逆に嫌な予感がしてますがね」
サンガはなにか違和感を感じてるようだった。
そして、正樹も同様であった。
「ここまで、来たからには油断せずに目的を達成しよう」
レンとラン以外にと気を引き締めるように言い、作戦の確認に入った。
「ここからトラヌビスの部隊へは上手く後方へ回れるようだ。この武装のまま後方へつけ、一気に強襲する、目立たないように、かつ迅速に進めるぞ」
全員、頷き敵兵の目を盗んでトラヌビスの後方へ回り込んだ。
トラヌビスまであと数メートルというところで、正樹はとてつもない悪寒を感じた。
ふと後ろを振り返ると、
「全員伏せろ!!」
それを見た瞬間にバレることも構わず大声を上げた。
その直後、大きな黒い鎌のような魔法が正樹達の頭があった位置を薙ぐように通り過ぎた。
改めて、後ろに目をやると死神のような佇まいのテンレンカのヴァレンティクスがいた。
「魔法を放つ前の殺気を悟られるとはまだまだ未熟でしたね」
フヨフヨと浮遊しながら、話しかけてきた。
「ヴァレンティクス、そやつらは任せるぞ」
正樹の叫びで気付いたトラヌビスであったが、正樹達を一瞥した後、部隊を前線へ進めていった。
「まさか、テンレンカの不死王が来てるとは予想外にもほどがある」
正樹は苦々しく睨み付け、戦闘態勢へ入った。
「相手はテンレンカの大将だ!全員やられないことを前提に!」
現状のレベルでは正樹ですら、ヴァレンティクスに立ち向かうには厳しいほどであった。
ここは逃げる為に能力の皇帝を使いたいが簡単には使わせてもらえなさそうだった。
「一応、挨拶をテンレンカの王、ヴァレンティクスです。以後お見知りおきを、そして、さようなら」
そう言って持っていた鎌を振り上げた。
「させるか!」
正樹も剣を振り上げ、バスタースラッシュを放った。
先ほどの黒い鎌の魔法とバスタースラッシュが相殺され、爆発が起きた。
その隙に正樹は能力を発動した。
「させません!」
ヴァレンティクスがとてつもないスピードで接近し、鎌で攻撃を仕掛けた。
しかし、間一髪、攻撃の寸前で正樹達はテレポートができた。
正樹の作戦は失敗してしまったのだった。
つづく
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