第22話 裏会談
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
会談後、エンデリオンにて
「お帰りなさい。2ヵ国の英雄殿はどうでしたか?」
帰国早々に、アリア達との会議が始まった。
「あの2人はもっと武人的というかこういった腹の探り合いは苦手かと思ってけど、さすがに一筋縄ではいかなったよ」
「そうでしたの?報告では当初の予定で話はついたように伺ってますが?」
「そうですな、ガンラン同盟には領地半分と防衛、シリオンパレスには財宝の4分の1と」
正樹は首を振って、
「それはあくまでも譲歩できる最大値のつもりだったんだよ。どっちも初手でその最大値を越えてきたからね、そこに落ち着けるしかなかったんだ。向こうにも頭の切れる参謀がいるのかも」
「そういえば、ガンラン同盟の長のタロス・ゾーン様は個人の武力もさることながら、指揮や戦略にも通じているとお聞きしてますわ」
アリアはポンっと手を打って答えた。
「うむ、アリア様の言う通り、ほぼ1人でやっていたようですな」
グレイヤも顎に手をやりながら言った。
「そういうことは教えておいてくれると助かるよ」
正樹はやれやれと頭を抱えた。
鬼族の国、タレントーラ、城前
門番をしていた兵士の1人が近づいてくる2つの影に気がついた。
「何奴!ここから先は許可のあるものしか通過できんぞ!名を名乗れ!」
2つの影の1つは大きな黒いローブに被われており、どういった風貌かもわからなかった。
もう1つはバルカルサスに属するガーゴイル一族に見えた。
「へへへ、失礼、ワタクシ、バルカルサスの魔王ハルビア様の使者としてこちらに参りました。こちらにいる方はテンレンカの使者様です」
まさかの2ヵ国の使者に兵士は戸惑った。
「タレントーラの山岳王トラヌビス様に大至急お伝えしたいことがありましてな、すぐにお目通りを願いたい」
バルカルサスの使者はそう言って、書状を見せた。
それを確認した兵士は伝令を王城へ急がせた。
「申し訳ございませんが、返事が来るまでしばらくお待ちいただけますか?」
「へへへ、もちろんです」
しばらくして、タレントーラ王城内、謁見の間
タレントーラは山岳内にあるため謁見の間というものの、洞穴を広げて柱で支えているような形だった。
謁見の間の中央へ案内された2人の使者は、その最奥にいる一つ目の巨大な鬼にお辞儀をした。
「顔をあげよ、使者殿よ」
低く響く声でタレントーラの王、トラヌビスは言った。
「へへへ、この度はお目通りいただきありがとうございます。後程、手土産をお渡し致します」
バルカルサスの使者は手をスリスリしながら軽薄そうな笑みを浮かべた。
「よい、本題に入ってもらおう、ちなみにガンラン同盟やエンデリオンが攻めてくるつもりなのは知っているからな」
トラヌビスは退屈そうに、だが、威厳を失うことなく発していた。
「まさかまさか、当然ご存知と思っております。我々、2人は今回、相手の3国に対抗すべくこちらも共闘のご提案に参りました」
バルカルサスの使者はペコペコ頭を下げながら言った。
一方、テンレンカの使者は微動だにせず、一言もしゃべらないことにトラヌビスは疑問に思った。
「バルカルサスの意向は理解したが、そちらのテンレンカの使者殿はどうなのだ?」
するとゆっくりとフードを取ると
「まさか、お主が直接くるとはな、テンレンカの不死王、ヴァレンティクス」
そう呼ばれたのはスケルトンの親玉の姿だった。
「直接出向いた方が誠意があるだろう?国自体はしばらく戦争もなさそうなのでな、散歩がてらに来させてもらった」
軽く話しているが、2人の王の威圧感は凄まじく、横にいたバルカルサスの使者は恐怖で言葉を発することが出来なくなった。
「なるほど、それだけ本気というこうことか」
トラヌビスは少し考えたが、
「良いだろう、バルカルサスそしてテンレンカと今回の戦争は共闘するとしよう」
こうして、テンレンカ、バルカルサス、タレントーラの手を組むことになった。
そしてそれは、3か国対3か国の大きな戦いになることが確定した。
つづく
お読みいただきありがとうございます
毎週月曜の17時を目標に執筆しております
ご感想などいただけると励みになりますので、よければお願いいたします
別作品もございますので、お気に召しましたらそちらもお読みいただけると幸いです




