第18話 援軍も停戦
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
伸治達の後方に赤い狼煙が見えた。
「よし、間に合った!全員こっちに来てくれ!撤退する!」
正樹の能力は皇帝で自身の所属する1部隊を瞬時に自国へ帰還させることができる、
その能力を使って、正樹達は伸治達の追撃を躱し帰還したのだった。
「くそ、逃げられたか」
伸治はあと一歩のところで撤退を許してしまった。
と同時に本陣からの伝令が来た。
「伝令!本陣北西にエルフ部隊が出現!伸治様部隊は直ちに撤退せよとの命令です!」
伸治は本陣の方を向くと赤い狼煙が上がっていた。
「エンデリオンの策略かやはり一筋縄ではいかんな、さすがは流水疾風の策略家」
流水疾風の策略家は正樹の独特でとらえどころのない戦略を評し付けられた二つ名であった。
「全部隊撤退する、可能ならそのままエルフ部隊へ突撃する」
ガンラン同盟本陣
「まさか、シリオンパレスと同盟を組んでるとはなかなか」
奇襲部隊が現れたにも関わらず、タロスは余裕そうであった。
「今回はエンデリオンに勝ちを譲るとするか」
そう言うとタロスは立ち上がり、
「全軍、撤退準備!第1から第3部隊まではノブの部隊と連携し、エルフ部隊へ牽制しろ、その間に撤退する!」
「ノブ様はエルフ部隊へ突撃しますでしょうか?」
1人の部隊長が質問した。
「アレとの付き合いは短いが、単純すぎて動きを読む必要もないわ」
伸治部隊の突撃もあり、ガンラン同盟は最小限の被害で撤退を成功させた。
エンデリオン本陣
「報告します!援軍のエルフ部隊がガンラン同盟本陣を強襲!ガンラン同盟は即時撤退を開始しました」
その報告を聞いて、アリア達は安堵の息を吐いた。
「おそらく、マサキ殿も撤退を成功させているでしょう」
グレイヤがアリアに声をかけた
「えぇ、聞いていた能力では瞬時に国に戻るのだとか、私達も警戒しながら撤退しましょう!」
ガンラン同盟が撤退を完了させた数時間後にはエンデリオンも撤退完了させ、アルカンディエル最初の戦争は両軍撤退の引き分けとなった。
後日、両軍の代表による停戦会議が行われた。
先日衝突した平原が今度は話し合いの場となった。
ガンラン同盟側はタロスと伸治、あとは数名の士官
エンデリオン側はアリアと正樹、グレイヤと部隊長クラスが数名
「では、停戦会議を始める」
タロスの一声で会議が始まった。
「まず、今回の戦争は引き分けで、両者共に補償はなしでよいかな?」
タロスは探るようにアリアを見つめた。
「えぇ、補償に関しては。しかし、宣戦布告したのはそちらなので、なにもなしで停戦というわけにもいきませんわ?」
アリアも負けじと見つめ返した。
タロスはフッと笑って、
「ふむふむ、それは当然じゃな、しかしそちらも援軍という手を使っておるしなー」
わざとらしく顎を触りながら答えた。
「アレはシリオンパレス側の好意の援軍ですわ、同盟締結早々に宣戦布告を受けた我々への支援ですわ」
アリアもこの指摘は想定内であった。
このまま、押し切る理論も準備していた。
「なるほどなるほど、では、エルフ部隊の捕虜はシリオンパレスと直接やり取りさせてもらうとしよう」
「な!」
伸治の突撃で一部のエルフが捕虜として捕縛されていたのであった。
そうなると、その交渉のためにシリオンパレスとガンラン同盟が接触し、下手をすると捕虜返却の条件として、エンデリオンへの援軍に圧力をかけられる可能性があった。
アリア達にとってこれは想定外で、アリアはタロスの思惑通りにするしかなかった。
「わかりました。両軍補償なし、宣戦布告のペナルティもなし、ただし、シリオンパレスの捕虜はエンデリオン経由で返還、停戦は3ヶ月でよろしいでしょうか?」
タロスは満足そうに
「あい、わかった、その提案承諾しよう」
こうして、直接戦闘でエンデリオンに軍配が上がりかけたが、タロスの政治力によってひっくり返されたのだった。
つづく
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