第17話 英雄対決
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
初戦から数日は小競り合いの戦闘ばかりであった。
「そろそろまた突撃のタイミングではないのか?」
伸治はタロスに問いかけた。
「向こうも何かを狙っている様子、安易に仕掛けては思うつぼよ」
「初戦ではオレの突貫も早い段階で抑えられてしまったから不完全燃焼でな」
「あとしばらく待て、もうすぐ活躍して状況になりだろうからな」
そう言ってタロスは不敵な笑みを浮かべた。
一方、エンデリオン側
本陣の仮設テントで正樹達は今後の作戦会議をしていた。
「マサキ様、例の作戦はいつ頃になりそうですか?」
アリアが聞いた。
「ガンラン同盟側もそろそろしびれを切らしそうだから、一旦仕掛けようとは思っている」
「そもそも、あの作戦は上手くいくのですかな?」
グレイヤが疑問を投げ掛けた。
「大丈夫。上手くいくよ。あと1日耐えれば」
翌日、いつものように小規模の戦闘が散発的に起こっていた。
そんな中、ガンラン同盟の本陣に伝令が慌てて入ってきた。
「緊急!エンデリオン側の英雄と見られる10名程度の小部隊が本陣左方に現れました!」
タロスは来たかと呟き、
「ノブ!出番だぞ!英雄同士の熱い激突を期待しとるぞ!」
本来、タロスはこういう煽りはしないのだが、伸治にはこれが効果的と判断であった。
伸治は任せろっていうように親指を立てて、本陣を出発した。
ガンラン同盟本陣の南東の位置、正樹親衛隊。
「マサキ様、相手はこっちに釣られるでしょうか?」
副隊長的なポジションに落ち着いたサンガが、不安を吐露した。
「俺がここにいるってわかるようにしたから絶対にくるよ、おそらく向こうの英雄様がね」
正樹は初戦の攻防で、伸治の能力が突貫であると確信していた。
突貫は騎乗時に敵を撃破する度に攻撃力を上げる能力で、撃破されなかったり、仕切り直しすれば、効果が発動せずリチャージまで数日かかる扱いづらい能力だった。
(突貫の使い手と言えば、パワーオブパワーのノブで間違いないだろう)
そんなことを考えているとガンラン同盟の本陣より砂ぼこりが上がっているのが見えた。
「マサキ様、来ました!その数、50名ほどです」
見張りをしていたレンから報告が来た。
「10人にもみたいのに50名とは大盤振る舞いだな」
正樹は冗談っぽい言った。
「言ってる場合ですか、ホントに大丈夫なんですか?絶対に持たない自信あるんですけど」
アリーが部隊後方で叫んだ。
「ほら、今さら言ってないで準備しますよ」
シルファがアリーをなだめながら準備を促した。
「予定通りならあと少しだから、みんな踏ん張ってくれ!」
最後に正樹は激励し、臨戦態勢を取った。
「ガッハッハ、見つけたぞ!!総員、突撃!!」
伸治は勢いの乗せたまま激突する気だったが、前方に光が集まり出したのを見つけた。
「あれはまずい!総員、左に回避!!」
即座に回避行動を取ったが、2/3が回避したところで、光の束が部隊の後方に襲いかかった。
少し前、正樹親衛隊側
「レン、準備完了まであと10秒だ、相手はどうだ?」
「マサキ様、敵部隊は回避行動を取っているようです。右に反れていきます」
「やはり、気付いたか。修正はできないか。仕方ない!バスタースラッシュ!!」
ゴブリンの集落で放った技を初手から繰り出した。
「部隊の後方に直撃を確認!被害はおそらく半分以下のようです」
「上々だな、よし、後方へ移動するぞ、そのまま相手が突っ込んで来たら、アリーの魔法で威嚇してくれ!」
戻って伸治側
「被害は後方壊滅です!繰り返します!後方壊滅!」
「いきなり、大技か!燃えるな!後方部隊は回復させ、撤退させろ!残りはこのまま突撃する!」
この世界では老衰や病気以外では死ぬことはなく、今回の後方部隊も兵士としては二度と戦えないが、一般人として生活は送れるようになる。
そんなご都合主義の世界のため、正樹や伸治は兵士を数字としてみてしまっていた。
否、英雄のほとんどがそうなっており、それが普通だった。
なんにせよ、伸治は部隊を立て直し、再度正樹達に迫ろうとしていた。
魔法攻撃が飛んでくるも、大きな弧を描くため、回避は先ほどよりも簡単だった。
もうすぐ、追い付く。
そう思った時にそれは起きたのだった。
つづく
お読みいただきありがとうございます
毎週月曜の17時を目標に執筆しております
ご感想などいただけると励みになりますので、よければお願いいたします
別作品もございますので、お気に召しましたらそちらもお読みいただけると幸いです




