第15話 激突準備
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
正樹達は少し休憩し、ゴブリン達の討伐部位と魔石の回収を始めた。
その様子をずっと観察していた1つの影が闇に溶け込むように消えていった。
「ん??」
正樹は視線を感じ気がして振り向いたがすでにそこには何もいなくなっていた。
「どうしました?」
シルファが声をかけた。
「いや、気のせいだったみたいだ。作業を続けよう」
正樹はその場を離れ、みんなに合流した。
場所は変わり不死の国テンレンカ
不死の王のヴァレンティクスが治めるゾンビやゴースト達の国。
その一室にて、
「やっぱり、あのスキルをもう取得してましたか。となるとあの方法しか勝ち目はないかもしれませんね。うまくいくといいんですが」
テンレンカに召喚された英雄、朝霧 直人はゴブリン集落から戻ったゴーストから報告を受けていた。
「ありがとう、下がっていいですよ」
ゴーストを下がらせて、そのまま王座に向かった。
「ヴァレンさん、いますか?」
誰もいない王座に話かけた。
すると、黒い霧のような物が王座に集まってきて、スカルキングが現れた。
このスカルキングが不死の王ヴァレンティクスだった。
「モーニンよ、どうした?」
王座に座った状態で、モーニンこと直人に話しかけた。
「人間の国は驚異になりそうなので、早めに動いた方が良さそうです。至急、ガンラン同盟に使者を送って下さい。例の作戦を実行します」
「その件は了承したが、ホントにあの作戦でいくのか?今までの英雄の中でも随一の消極的な作戦だぞ?」
「俺は他の人みたいにできないからね、これぐらいしか勝つ方法はないんだよ」
直人は少し忌々しそうに答えた。
「まぁ我は動かずにおれるなら助かるがの」
そう言ってヴァレンティクスはゴーストを呼び出し、ガンラン同盟への使者として送り出した。
一方、ガンラン同盟にて
各種族が集まる議会室で同盟長のタロス・ゾーンはゴーストの使者を迎え入れていた。
「うむ、了解した。テンレンカとの約束通りにエンデリオンに攻め込むとしよう」
虎の風貌のタロス・ゾーンは議会室の奥の席から答えた。
その側には召喚された英雄がいた。
いかにも体育会系でガタイのいい斉藤 伸治は、タロス・ゾーンに向かって、
「ついに始まるな。始まれば突撃あるのみだな。ガッハッハ」
豪快に笑い飛ばしながら、タロス・ゾーンの背中を叩いた。
タロス・ゾーンは内心、
(我ら獣人は脳筋がたしかに多いが、この英雄はそれにもまして脳筋過ぎるのではないか?少なくとも多少の策は我らとて用意してるというのに)
と密かに頭を抱えているのだった。
そこへ一人の兵士がやってきた。
敬礼をし、
「タロス様に報告です!」
「エンデリオン侵攻の準備が滞りなく完了しました。いつでも進軍可能です!」
「ご苦労、軍には今しばらく待機になるので、気を張り過ぎないように伝えておけ」
「はっ!」
再度敬礼し、兵士は即座に退室した。
停戦明けまでおよそ2週間、宣戦布告と同時に3ヵ所から同時に攻め込む手筈となっている。
「さて、今回のエンデリオンは対応できるのであろうか?」
タロスはそう呟いた。
つづく
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