第10話 工房長アードル登場
戦略シュミレーションゲームの中に転生、自身の能力と策略を駆使して聖域を制圧しろ
そんな謳い文句のゲームがあった。
そして、それは現実のこととなる。
さまざまな思惑の交差する世界で無事に戻れるのか
プレイヤー達のバトルが今始まる
舞台は戻ってエンデリオン。
正樹はグレイヤ達に回収してもらったディアル鉱石の量を確認した。
「うん、十分な量がありました。ドワーフ工房の方を呼んでもらえますか?面白いものを作れると言えば、たぶんトップが出てきます」
正樹の伝言を兵士が工房へ伝えに走った。
ドワーフ工房
「あっ?面白いものだと?それはなんだ?」
「すみません、私は伝言をもってきただけなので」
「まぁいい、それならワシが行ってやろう、面白くなかったその時は」
ドガーン!
そのドワーフは持っていた槌を地面に叩きつけた。
あまりの衝撃に兵士は1歩下がってしまった。
砂埃がはれたそこには人一人が入れるような穴があった。
「さて、王城へいこうか」
ズンズンとドワーフは歩きだした。
伝言を出して数刻後、
「失礼します、ドワーフ工房よりアードル様をお迎えしました」
「お前か?ワシを呼び出したひよっこは?」
兵士の後ろからいかにもドワーフといった、身長100cm程の白ひげを生やした人物が現れた。
「わざわざご足労痛み入ります」
珍しくグレイヤがうやうやしく対応した。
「ふん、面白いものを作れると言ってきたからには相応なもんなんじゃろな」
「あなたなら絶対に食い付きますよ」
そう言うと正樹は1枚の図面を見せた。
そこにはL字の棒が持ち手に刺さっているだけのものだった。
「なんじゃこれは?ただの棒切れではないか?」
「この棒のところがディアル鉱石だったとしたらどうなると思いますか?」
正樹は挑発するように問いかけた。
「棒がディアル鉱石?・・・、まさか!」
アードルはなにかに気づいた様子だった。
「アードル殿、どういうことか説明して頂きたいのですが?」
グレイヤはアードルに問いかけた。
「ディアル鉱石に魔力を流すとどうなるか知っとるか?」
「たしか、近くに金があると反応するとかなんとか」
「そうじゃ、これは持ち手に魔力を流すとディアル鉱石が反応し、近くに主に地下じゃな、そこに金鉱脈がある反応する装置じゃ」
「なんと、それなら大量の金を少ない労力で発見できるといくことですか?」
「問題はディアル鉱石は加工の難易度が高めということじゃな」
そこまで話を聞いていた正樹は、
「でも、あなたならできますよね?アードルはん」
「小僧、お主の挑発に乗ってやるワイ、いつまでにいくつ必要じゃ?ディアル鉱石自体は準備してあるんじゃろ?」
「この量のディアル鉱石を使うとしたらいくつをいつまでにできますか?」
正樹の後ろにあったディアル鉱石の箱を見せた。
「この量なら100個を一週間ほどで作ってやるワイ」
「ではお願いします」
正樹は深々とお辞儀をした。
「まかせておけ、ひさびさに腕がなるワイ、おい、大至急ディアル鉱石を工房へ持って行ってくれ」
兵士達は慌ててディアル鉱石の箱を台車にのせ、運んでいった。
「おい、小僧、名前は?」
「マサキです」
「マサキ、もっと面白いもの知っとるじゃろ、今後は直接ワシのところへ注文しに来い」
そう言ってアードルは上機嫌に立ち去っていった。
「もっと面白いものね、言ってくれるよ。ドワーフ工房の工房長兼天才発明家のアードルさんのお眼鏡に適うものなんてなかなかないよ」
正樹はそう呟いた。
つづく
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