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【第2話】犯人はすぐそばに
「で、陽くんはどう思うの?」
放課後、僕と真琴と、友人の千夏の三人で机を囲む。
千夏は頭がキレるタイプで、僕の“なんとなく察知”をよく補ってくれる。
「えっと……変なとこはあったんだけど……うまく言えないんだよね」
「出たよ、陽特有の“気づいてるけど説明できない”やつ」
千夏にツッコまれ、僕は肩をすくめるしかなかった。
「まず、今朝の真琴の動き。いつもは昇降口から来るのに、今日は保健室の方から来たんだよね?」
「あ、うん。ちょっと用事があって」
「それと、教室入ってきた時にはすでに靴下に泥ついてたよ」
「……あれ? 私、そんなに汚れてた?」
「うん。まぁ……」
(なんでだろう?)と思ったけど言葉にできない。
「あとね、真琴の体育バッグ。あれ重くない? 筋トレ?」
僕が言うと、千夏が頭を抱えた。
「陽、それヒントぼやかしすぎ! でも確かに、ガサッって硬い音してたな」
「え? なにそれ怖いんだけど」
三人で視線を合わせる。
手がかりは揃っている気がする。でも僕はうまくつなげられない。
(泥……外に出た気配はない……バッグが膨らんでる……あれ?)
胸の奥で、また小さなひらめきが弾けた。
でも言葉にはできない。いつも通りだ。




