恋バナ
ライリーの言葉に続いて、ナタリーもエレノアも勢いよく頷いた。
「わたしが、かっこいい…どうして?」
可愛いと言われることはあったけど、かっこいいは初めてかもしれない。
ルーカス様もわたしにかわいいと言われた時こんな気持ちだったのだろう。
わたしではピンとこないけど悪い気は全くしないと言う感じだ。
「すごく淡々とご自分の考えを話せるところも、それで納得させられるのも、言葉では言い表しにくいんですけど、かっこいいんです」
また2人が頷く。
最近は褒めてくれる人が増えた気がする。
でも、やっぱりルーカス様に褒められた時だけは鼓動がとても早くなる。
他の人に言われるのとは何かが違う。
心に余裕がある。この令嬢たちを褒め返せる余裕が。
「それを言うなら、あなたたちも可愛い。素直でわたしをかっこいいと慕ってくれるあなたたちがとても可愛いわ。」
「「「〜〜〜……!///」」」
「奥様、そういうところです。」
「だからそういうところってどういうところよ…。」
普通に褒めたつもりだったのだけど、どこがいけなかったのか。
3人が赤くなるだけでなく、リアも少し呆れている。
「とにかく、わたしはライリー、ナタリー、エレノア自身のことも気になるし、3人が何を見てきたのかももっと知りたい。だから、またお茶に誘ってくれる?」
「公爵夫人、好きになってしまいそうです…。」
愛の告白?
「いくらでもどうぞ。わたしもあなたたちが好きよ。」
3人ともこの言葉にトドメを刺されたようだ。
顔を真っ赤にして両手で自分の顔を覆った。
見られたくないらしい。そんな姿を見て、わたしも思わず頬が緩んでしまう。
3人が落ち着くまでお茶を飲みながら待っていると、エレノアが落ち着いたのか顔を上げた。
そして、こんなに可愛い一言を言ってきた。
「公爵夫人のこともっと知りたいです…。教えてくれませんか…?」
身分の差を気にしてなのか、俯きながらも何とか目を合わせようと頑張っている状況が窺える。
エレノアの頑張りと勇気に、わたしも答えないと。
「もちろんよ。あなたのことも教えてね。」
それからたくさん話をした。
それぞれの好きな話、家族の話、好きな人はいるのかという、いわゆる恋話もした。
わたしについては、ルーカス様との関係を根掘り葉掘り聞かれた。
「公爵様とは仲がよろしいんですか!?」
恋バナなので、もちろんのこと余計な部分は省いて綺麗な話を並べて話をする。
「そうねぇ、夫は愛妻家よ。」
そちらの方が良いだろう。まだまだ純粋な令嬢が、わたしの汚い話なんて聞かなくても良い。
「きゃ〜!」
「どんな日常を過ごしてるんですか?!」
「どこでお会いしたのですか!」
今はまだ、夢を見てもいい年齢だ。
「例えば、書類を整理する時とか、夫と一緒にいる時は、ずっと膝の上に座ってるかも。出会ったのは、そもそも初めは政略結婚だったの」
わざわざお茶会まで現実を持ってこなくても良い。そんなのは社交界で十分。
「えっー!お噂では無表情で、女性が誰であっても表情を何一つ変えないという公爵様が、公爵夫人にだけは甘々だなんて、とっても素敵です!!」
「政略結婚でも愛は芽生えるのですね!」
「そうね、段々とお互いのことが大切になっていったのよ。」
わたしの話を聞いた3人は心底楽しそうだった。楽しんでくれたのなら何よりだ。
ただ1人、リアは納得行かなそうにしてたけど。
恋バナをしていると、あっという間に時間が過ぎていて、気づくと夕方になっていた。
本当はもう少し早く帰ってルーカス様を迎えるつもりだったけど、楽しくてたくさん話してしまった。
また機会を逃してしまうかもしれないけど仕方がない。
今から帰ったとしても間に合わない。少し残念だけど諦めるしかなかった。
「ライリー、ナタリー、エレノア、今日はありがとう。とても楽しかったわ。」
「こちらこそありがとうございました!良ければ、また誘ってもいいですか…?」
「ええ、楽しみにしてる。次にお茶する時は、名前で呼んでね。」
「…!!はい!またお茶しましょうね!」
みんなが終始笑顔で幸せそうに笑っているのを確認して、わたしはリアと馬車に乗った。
人の甘々な話を聞いてテンションが上がるなんて、前世では惚気って言われてたのに。
どうしても、ここと前世は違うってことを再認識させられる。
でも、これに関しては惚気を超えてるような気がしなくもないことはない。
だって1日ずっと膝の上にわたしを乗せるなんて愛し合っていたとしてもほとんどの人はしないだろう。
わたしがルーカス様の行動について思考を巡らせていると、リアがじっとこっちを見ていた。
「どうしたの?」
ずっと見られるのも話していないと気まずさを感じてしまうため、話しかけることにした。
見てくださりありがとうございました!
次話も見てくれると嬉しいです!




