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推しの悪役令嬢なので全力で守ろうと思います!  作者: 小鳥遊
推しのために生きていました
21/89

人生

◇◇◇


身体中が痛い…


わたし…どうなったんだろう?死んだのかな?


"疲れたよ…"


「お疲れ様、今のハンナ」


「え?」


今のハンナ?


"てことは、今話かけてくれたのは…"


後ろを振り返ると、正真正銘、本物のハンナ・アディノールがいた。


「ハンナ様…、?どうして…」


「本当にお疲れ様、ハンナ…いや、未来ちゃん。」


「…!」


その名前で呼ばれたのはいつぶりだろうか


恐らく、20数年前に呼ばれた名だ。


でもどうしてハンナ様がわたしの名前を知ってるんだろう?


「ごめんなさい…ハンナ様のお身体を沢山傷つけてしまって…。」


「フフッ、あなたは優しいのね。でも気にしないで」


優しい声色だ。


わたしと同じ声のはずなのに、ハンナ様はその言葉の1つ1つに気持ちが籠っている。


わたしとは大違い。


「今日はあなたにありがとうとごめんなさいを言いに来たの」


「え?どうして…」


「まずは私を幸せにしようとしてくれてありがとう。上から見ていたあなたの行動に、私はとても救われたわ。でも、ごめんなさい。私はもうあの身体に戻るつもりはないの。だから、あなたにはあなたの人生を歩んでほしい」


わたしの、人生?


"分からない、分からないよ。わたしがわたしのために生きたことなんてなかった"


「ハンナ様と一緒に行ってはダメなのですか?」


「ダメ」


少しびっくりした。だって、こんなにはっきり言われるとは思ってなかった。


もう少し、悩んでくれると思ってた。


"わたしはハンナ様にも嫌われるの?"


「もうっ…!何か変な誤解をしているわ。だからそんなに悲しい顔しないで。私はあなたに幸せになってほしいの。あなたが私の幸せを願ってくれたように、私もあなたの幸せを願ってる」


「わたしの…幸せ…?」


「そう、あなたの幸せ。幸せになって。

もう我慢しないで。」


我慢…わたしは、我慢をしているのだろうか。


分からない…


「フフッ、なんだか私と似てるね。じゃあ、

ごめんね。中途半端になっちゃうけど、

さよなら。また会えると良いね。あなたはもう目覚める時間だよ。みんなが心配してる」


心配…誰が、するって言うの…?


◇◇◇


「………」


"痛い…みぞおち…なんで、こんな…"


……、何故公爵はわたしの手を握ってるんだろうか。


嫌いな癖に。


取り敢えず起き上がらないと話にならないと思い、身体を起こそうとする。


「………クッ…」


ヤバい…痛すぎて声が出てしまった。頭痛も酷いし身体の節々が痛い。


「ハンナ嬢…?目が覚めたのだな…!良かった…。あなたは1週間も…」


「公爵っケホッ…ッ…」


「っ!まずは水を飲んでからだ。」


優しい手付き。


倒れないよう背中を支えてくれて、カップを持ってくれている。


「…ありがとう、ございます」


この優しい姿に、騙されてしまいそうになる。心配するような目、割れ物を扱うかのように優しい力の加減。


少しだけ、この優しさに浸っていたいと感じた。


でも、この時間が長く続くわけもなく。


「ハンナ嬢、それで、どうして窓から飛び降りたんだ???」


"そんな眼光ギラギラの目でわたしを見ないでください"


と叫びそうになった。が、堪えた。


「怖かったんです。」


「こわい…?」


そう、怖いのだ。


それを言ったらどんな反応をされるのか。


弱みを見せた時にどんな表情でこちらを見てくるのか。


全て怖くて仕方がない。


「はい。以前わたしの家庭環境をお聞きになりましたよね。もうこれ以上は聞かれたくなくて、窓から逃げようとしました。公爵様なら、死んだことにでもしてくれるだろうと思ってましたから」


わたしがそう言うと、公爵はわたしの知らない表情をしていた。


…何なのだろう、この表情は…。なんとも言えないような歪な表情をしている。


「俺が、あなたを探しにいくとは思わなかったのか…」


謎の質問に対して、わたしは即答できた。


「はい。だって、公爵様はわたしのことがお嫌いですから。嫌いなら、わざわざわたしのことを探したりはしないでしょう?」


当たり前だ。それ以上に何の理由があると言うのか。


「ッ…。あなたは、、どうしてそう自分を卑下するんだ…」


"なんでそんなに、悔しそうなの?"


公爵が声を絞りだして言った。


自分の言った発言を振り返ってみれば良い。


あの言葉も態度も、嫌いだからこそ取る言動

だろう。


「あなたが話したくないことは分かっている。だが、教えてほしい。あなたのことをもっと知りたい。だから、初めから詳しく、教えてくれ。」


わたしのことなんて嫌いなくせに、どうして聞きたがるの?


でも、こんなこと言ってくれたのは、公爵が初めてだ。


嬉しいような、むず痒いような、でも話したくない。一生仮面を被ったままでいたい。


"そうすれば、傷つかずに済むから…"


いろんな感情が渦巻く中、わたしは話始めることにした。


少しずつ、ゆっくりと……

見てくださりありがとうございました!

次話も見てくれると嬉しいです!

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