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推しの悪役令嬢なので全力で守ろうと思います!  作者: 小鳥遊
推しのために生きていました
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1人じゃない

「リアー!無事解決したわよ。ここを見てくれてありがとう。公爵は、何も言ってなかった?」


「はい、大丈夫です」


「分かった。助かったわ。じゃあリアも持ち場に戻って。また何かあったら教えてね。」


「…お嬢様」


「ん?」


まだ何かあるのだろうか。


「お嬢様も1度、わたしたちと一緒に休憩しませんか?」


「え?」


わたしが休憩?


出来るわけない。


ここを離れる訳にはいかないし、対立していた侍女や執事たちと話し終えたのもたった数分前の話だ。


流石に向こうも気まずいだろう。


「顔色が優れていないように見えます。少し息抜きをなさってはいかがですか?」


自分の顔色が良くないことくらい分かっている。


だけど、休める状況ではない。


「うーん、大丈夫よ。わたしは公爵様の体調が悪化しないように見ていないといけないし」


「…分かりました。それでは、失礼しますね…」


リアには悪いけど、ここは公爵の介抱を優先させてもらおう。


それに、わたしなんていなくても何も変わらない。


結局のところ、みんなの主人は公爵なのだから。


公爵がいればみんな安心だろうし、とりあえず公爵の病を悪化させないよう気をつけよう。


改めて気を引き締めていると、ノックの音が聞こえたので公爵の部屋から出ると、料理長がいた。


「お嬢」


「あら、もう昼食の時間なのね。ありがとう。」


「いや、お嬢がレシピを置いてくれたおかげだ。」


「良かった。また一緒に何か作りましょう」


「おう」


我ながら上手いポーカーフェイスだ。


料理長との一通りの会話を終えた後、わたしは公爵の部屋に向かった。


「失礼します。公爵様。昼食を用意してくれたのですが、食べられますか?」


「…無理だ。」


それもそうか。


朝は寝ている間にかいた汗で少し体温が下がるが、夜に近づくにつれ、また熱は上がってくる。


少しでも食べておいた方が良いのだけど、こればかりは仕方ない。


「分かりました。では、もう少ししたらお医者様が来ますので、解熱剤を飲んでから、様子を見て食べましょうか」


「ぁぁ…頭が、割れる…。」


…珍しい。弱音を吐くなんて。


これも昨日弱みを見せても良いと言ったからだろうか。


「辛いですね…。ですがもう少しの辛抱です。わたしがお側にいますから。1人ではありませんよ。」


わたしは知っている。病気の時、誰かが側にいるのといないのとでは、心の軽さが違うことを。


苦しくて、辛くて、不安な時、誰かが側にいてくれるだけで、その不安や苦しさ、辛さは和らぐのだ。


ーコンコンー


「お嬢様、お医者様がいらっしゃいました」


割と早めに来てくれた。


このままだと重症化があり得るような症状だったから助かった。


「お通ししてください」


「失礼します」


「公爵様の診察をお願いします」


「分かりました」


話は淡々と進んでいった。


この医者とは別に深く関わるわけでもないから、笑顔でいなくて良いのでありがたい。


今の体調で、ずっと笑顔を保てる自信はなかった。


公爵の診察を見守りながら、そう感じる。


「お嬢様、診察が終わりました。」


「公爵様のご病気は、流行り病ですか?」


「はい。ですが、幸いにも、重症化することはなさそうです。本人の回復力と介抱の仕方が良かったのでしょう。明後日には治るかと思います。」


介抱の仕方を間違っていなくて良かった。


明後日ならわたしの身体も何とか持つだろう。


わたしこことなんて、後回しでいい。


「解熱剤、頭痛薬、それと抗生物質をお出ししておきますね」


「はい、ありがとうございました」


「いえ、病に関しては、治癒魔法ではどうにもならないので、お大事にしてください。」


ーパタンー


本当にあっという間に終わった。


まあ忙しいのだから仕方がないか。


「公爵様、解熱剤と頭痛薬を飲みましょうか。手伝いますのでゆっくり起きてください」


それから公爵に薬を飲ませて、もう数時間寝かせることにした。


睡眠をとって体力を回復してもらうというのもあるが、不眠症の公爵は、今くらいしか眠ることが出来ないだろうから。


わたしは公爵が寝ている間、昨日と同じルーティンをこなして、その日も眠らず公爵の様子を見ていた。


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