その17
今回は少しすくな目です
「ああっ!」
わたしは思わず大きな声を出してしまいました。
今はわたしとユフィさんとハルさんの3人で、ハルさんが壊したと思われる物の掃除中です
「どうしたの?」
「ハルさんの前に来た濃紺サラサラヘアーできつね目さんの名ま…」
「知らなくていいよ。あいつの名前なんて知らなくても生きていけるんだから。あいつの事は忘れて?」
「いや、そういう訳には…」
「どうして?」
「だってあの人…」
ユフィさんは若干の怒気を撒き散らし箒を持った手を止めながら、じっとこちらを見ています
…因みにハルさんは、こちらには見向きもせずユフィさんが集めた破片をちり取りに入れて黙々と掃除をこなしています
「薬の代金支払ってないですもん」
「え」
「はぁあぁぁ!?」
「お前その話本当だな!?」
ハルさんはわたしの肩を縦に横にガクガク揺すります。
わ、危ないです!ちり取り持った手でわたしの肩を揺すらないで下さい!破片、破片が!!
「は、はぃっ…!」
破片が飛び散ってわたしの顔に刺さるのが嫌なので顔を背けると
「…お前また嘘ついたんじゃねぇよな?」
耳元で恐ろしく冷たい、覇気のある声がしました
「ひぃぃい!つ、ついてませんよ!」
「本当だな?」
「っはい!」
「~っしゃあ!!ふはははは!!見てろよあの雑魚ども、今度こそひとたまりも残さねぇ!!」
――ガッシャンッ
そう言うとハルさんは持っていたちり取りを見事にまっ逆さまにして走ってどこかに行ってしまいました。
ぶわっ、あぶなっっ!!もうすぐでわたしに破片が飛び散って刺さる所でしたよ!てか掃除やり直しですよね、これ
………それにしても
「………ハルさんどこに何しに行ったんでしょうか?」
「……日頃の憂さ晴らしだよ」
「憂さ!?え?それなんかやばそうですよ!」
ユフィさんは妙に遠い目をしていました。
「…さて、掃除も終わった事だし買い物にでも行こうか。あんまり遠出出来ないからそこの商店街になっちゃうけど」
そう言ってユフィさんはわたしに先程の魔法をかけました。
「食べるものは取り敢えずはあるし、んー。やっぱり服かな?」
「あ、家具も揃えないとねー。あれだけじゃ寂しいし………?どうしたのかれん?」
「こここここここ」
「お、落ち着いて。ゆっくり」
「こ、ここって」
「うん」
「お、お店…あるんですか…?」
「え?勿論あるよ」
…え?
ええええええっ!?あるの!?あるんですか!?
で、ですが確かわたしがここに来たときは家しかなかったんですけども!
「でっでもわたしが見たときは人だって居なかったんですけど…」
「…あぁ、昨日は魔物の掃除の日だったんだ。だからこの町全ての家に魔法がかかってて…家の中には沢山人が居たんだ」
「そ、そうなんですか…」
「それに家にかかってる魔法は防音と幻を見せる効果もあったから…」
「成る程。それでわたしが騒いでても誰も出てこなかったのですね」
ふぃー安心しました。ほんとに
この世界は人が居ないのではないかと思ったこともありましたし、…はぁよかったです
「……っ」
そのときかれんは他の人が居ることに本当に安心しており、その頃ユフィが悶絶しているのは見えなかった
今回は少な目だったので、
おまけ小説をどうぞ!
『その後のハルさん』
――ドドドドドォン!
「…なんだ?」
「……?」
ここは城のある一室の騎士団長の部屋
2人は魔法団長が去った後優雅にティータイムを過ごしていた。
そこで突如聞こえてきた爆発音。
すると、廊下を慌ただしく走ってくる音がした。
バタンっとノックも無しに入ってきた騎士
「だっ団長!!」
「どうした!?そんな格好で…何があった?」
その騎士の格好は血こそ出てないが、所々に痣があり汗だくで呼吸も荒い
「訓練場でっ…魔法団副団長が暴れています!!」
その報告を聞きザックはまたもや頭を抱えた。
――その頃訓練場
「ふはははははっ!雑魚いぜ騎士団!まとめてかかってこいよっ!!」
「副団長御覚悟!!」
そう言って次々と騎士は1人の青年に真剣で斬りかかるが…
「…はっ!何が『覚悟』だ雑魚が!ふはっ」
青年は恐らく自前であろう木刀で相手を気絶させている。これ程の剣術を持ち合わせながらなぜこの青年は魔法団副団長をやっているのか。…それは一重に魔法団長であるユフィ・ローランドを敬愛しているからである。
彼の名は
コツコツとブーツの音が彼の後方から聞こえてきた。
そこに居るのは色白濃紺サラサラヘアー
「ようこそ騎士団へ、ライフ魔法副団長」
「あ、どうもこんにちはフィデレフ騎士副団長」
「「「ふ、副団長ぉぉおお!!」」」
大の大人がおいおいとグレンの周りに集まって「待ってましたぁ~!」やら「あいつ強すぎますぅ~!」、「壁壊れましたよ、直すの俺らですよね?…ちきしょー」と愚痴を溢している
「ふはっ、人気者ー」
ハルヴェストは持っていた木刀をさらさらと消してグレンを見て笑っている。
「何をしに来たんですか。ここはストレス発散する場所ではありません」
「…フィデレフ副団長、今日俺の団長の店に行きましたよね」
「はい。…それで?」
するとハルヴェストは真面目な顔になってグレンに片手を突き出した。
「金払え」
こうして次の日にはユフィの手元におよそ15000ルアンがあったそうだ。
終わり
いかがでしたでしょうか?
作者が書きたかったハルヴェストの狂った感じとグレンのマイペースが全面に出ており自分得なおまけ小説になってしまいました。
グレンはハルヴェストにとてつもなく吹っ掛けられたのはここだけの話です。




