その15
「団長ぉぉぉおおっ!!」
先程までわたしの上に馬乗りになっていたふわふわヘアーさんは、ユフィさんを発見すると、わたしを『がすっ』と音を立てて弾き飛ばしました。
……なんでしょうこの扱いの差
そして彼はあろうことかユフィさんの腰回りにがばっと抱き付いてます
わ、わたしのユフィさんが
…畜生あのふわふわヘアーめっ…!
「どっ、退いてくださいっ!」
わたしは決死の思いでふわふわヘアーさんをタックルしてユフィさんを確保しようとしました……ですが
「団長ぉお!聞いてくださいぃいい!」
ふわふわヘアーさんの完璧なホールドによってユフィさんの腰回りはわたしの入る隙すらありません
それに!ふわふわヘアーさんは軽くわたしの足を引っ掛けてきやがりました!
そしてそんな罠に容易く引っ掛かったわたしは床にペタンと尻餅を付いてしまいました
「~たぁっ!」
うぅぅ、悔しいですっ!
ですがこんなことではへこたれません!
いざ、もう一度っ!
「あうっ!」
「~った!」
「ひぅっ!」
あれから同じことを三回トライしましたが見事惨敗。
……もうユフィさんの気を引くにはこれしかありません!
「ふぇーん…っ」
そうです!泣き真似なのです!
演技なので実際涙は出てませんが、手で顔を覆って下を俯いているので、わたしは泣いているように見えるでしょう!
するとツカツカと誰かの足音が近づいてきました。「えぇぇ!?団長おぉ聞いてくださいぃいい!」
と聞こえてけたので、こちらに近づいてくるのは恐らくユフィさんでしょう。
……ふふふ、引っ掛かりましたよ!
わたしはふわふわヘアーさんに意趣返しも込めて、ユフィさんの首もとにがばっと抱き付こうとしました。
ですがそれより早くユフィさんがわたしを抱き締めてきました。
え?なんで?驚いたわたしは身を引こうと身体を後ろにずらそうとしますが、ユフィさんの拘束が強まるだけで寧ろ逆効果でした
この機会を無駄にしては駄目よ。
そう天からのお告げを貰った気がしたので、わたしは思う存分にユフィさんを堪能することに決めました。
………はぁ、落ち着きますねこの香り
ユフィさんの右肩辺りで深い深呼吸を繰り返していると、突然わたしの脳天がとてつもない痛みをキャッチしました
「いたっ」
言わずもがなわたしの脳天にチョップを施したのはふわふわヘアーさんでした。そしてこころなしかふわふわヘアーさんは怒っている模様
「おいそこの変態」
「は!?わたしの事ですか!?」
な、ななんてことでしょう!?わ、わわわわたしがへへへへ変態ですとっ!?
覚えもない汚名は返上させて頂きます
「わたしは変態じゃありません!」
「いや、どうみても変態だ」
「どこがっ!?これのどこがですか!?」
「すべてだよ!体勢からしておかしいから」
「おかしくありません、美しき家族愛に水を差さないで下さい!」
「…家族?」
「そうなんです、先程なりたてです!」
「………団長誰ですかこいつ」
ふわふわヘアーさんは呆れた顔でユフィさんに問いかけています。ほんと、失礼ですねこの人!
というか、団長さんってユフィさんのことだったのですね
するとユフィさんは、わたしを拘束している腕をまっと強くしてぎゅっと抱き締めてきました
おうふ、嬉しいのですが前が見えないし、苦しいです
「彼女は僕の妹のかれんだ」
ふふん、ざまーみましたかふわふわヘアーさんよ!わたしとユフィさんは家族という固い物凄く固ーい絆で結ばれているのです!…まぁ結ばれたのはつい先程ですが。絆の深さは時間だけが言うのではないのです!
そして極めつけには、わたしがふわふわヘアーさんにくるっと振り向き舌を出しました。
ふわふわヘアーさんは怒りの余りか身体がぷるぷる震えてます
普段のわたしならそんなことはしませんが、この時はほんとうにむかーっとしてたんです!
それを見たユフィさんは
わたしを拘束している腕を少し緩めて自身の顔をわたしの顔の横にするりと滑らせ、なんだか熱っぽい声で
「…かわいい。食べちゃいたい」
タグに『溺愛』とか『ヤンデレ』を加えようかなと悩んでいる今日この頃です。
因みに作者は両方とも大好物です!
話が進むにつれ甘くしていきたいなーと思っております。




