その14
「団長ぉぉおおおー!どこにいらっしゃるんですかぁあああ!うああん、出てきてくださいいぃい!」
かれこれ5分間ふわふわな髪の毛の青年はずっと泣き続けて『団長』さんを探してます。彼はうろうろ動き回っており、先程のパリンと何かの音が聞こえたのは聞かなかったことにしときます。わたしナニもシラナイヨ
え?わたしは何をしているのかって?
わたしは大人しく椅子の下に隠れてますよ。ここ意外と見つからないっぽいです!
…というか、黒髪黒目ってほんとにおかしい色合いなのでしょうか?先程会った変な濃紺サラサラヘアーさんはわたしが金髪から黒髪になったのに特になにもありませんでしたし……うん、わかんないです
「団長じゃなくてもいいからぁぁあ、誰かぁああ居ませんかぁあ?」
ふわふわヘアーの青年さんも困っているようだし、なんかこの姿を見せても大丈夫な気がしてきたのでそろそろ椅子の下から出ようかな…
「…………まぁ居たら斬るけど」
ひぃぃいいいまいいいいま今!!
『斬る』って言いましたか!?彼!
だだだ、だ駄目なやつでした!これは大人しく隠れているしかありません!
あぁ……ユフィさん、早く帰ってきて下さい…っ
そう。心の中でひたすらユフィさんを拝み倒していたわたしは、わたしに近づいてくる影に気づかなかったのです
「も、もごっ…!?」
いででででっ!い、痛いです!
…てか、え、え、なに!?
なんと、わたし先程の青年に腕を捻り上げられて床に倒されて口を手で塞がれてます
……え、なにこの状況
「……お前誰だよ」
「んー!も、もごもごっ!」
「わかんねーよ」
いや、わかんないのはあなたが手を塞いでるからでっ!
そ、それよりっ!腕!腕が痛いです!
あーあー!ギブギブギブです!参りましたから!
捻り上げられる腕の強さは変化しなくとも、痛いものは痛いです。
…ほ、ほんとに…っ!誰かっ!
するとふわふわヘアーの青年はわたしを一瞥して
「…まぁ誰でもいいか。団長の家に居る不届きものは成敗するまで」
成敗!?なんてこったい、これはやばいです!
ふわふわヘアーの青年はわたしの口を塞いでいた手をおもむろに外しました。
そして次の瞬間彼の手のひらには木刀が握られていた。
…え!?またもや魔法ですか!?
…て!そんなこと考えてる暇なんてありませんでした!わたし多分成敗されかけてるんですよね?ということは絶賛ピンチ中!!なんとかこの場を切り抜けなくては!
…よし、典型的ですがこれでいきましょう
「あ、あ!あんなところに団長さんが!」
「えっ!」
けけけ、馬鹿め!こんなこと嘘に決まってます!
……というか誰ですか団長さんって
まぁそんなことより腕の拘束が緩まった所で逃げ道確保です!
まずは倒れている身体を起こしたいと思…
「おいお前、嘘つくんじゃねぇよ」
「いっいひゃいれす、いひゃい」
バレました、逃げる間もなくバレました
そして彼はわたしのほっぺをむにーんと広げてます。めっさ痛いです
「……お前の頬、ふにふにだ」
「…ああっ、い、いひゃい!」
そして何を思ったか彼はわたしのほっぺを広げながらぶすぶすと押してきます
「やっ、はなひれくらひゃいっ!」
「……………」
「…いっ、いひゃいんれふっ!」
「……………」
え、なにこれつらい
わたし1人で騒いでる感満載でつらすぎますよ
てかっほんとにっ痛いんですけども!そろそろ離してくれませんかね!?
「……………」
こんなに訴えても彼は狂ったようにわたしのほっぺをさわるだけで、うんともすんとも言いません
…ちょっと怖くなってきました。この人もしかして少しおかしい人なのでしょうか?
よくよく考えてみれば、この家に入ってきたときは彼は泣いてました。とてつもなく騒がしく
ですが……なんでしょうこの変わりようは!今の彼は横暴という字を人で表現した。みたいな感じです
…あ、あれですかね?二重人格ってやつですか!?
…よし、怖くなったときにはこれです、魔法の言葉
「ユフィひゃんー!たふふぇてくらひゃいーーっ!」
「……………」
ぷにぷにぷにぷに
「……………」
ぷにぷに…ぶすぶすぶす
「……………」
……はい、来ませんでした。
そして彼はほっぺを潰しにかかってるのでしょうか。
あああ、わたし、ここでずっとぷにぷにされ続けるのかな…
そんなことを考えていると
「………ライフ。なにをしているのですか?」
聞きなれた声がしました。




