その10
お待たせしました!
今回は多めです!それと新キャラ登場です!
皆さんこんにちは、わたし近藤かれんは今絶賛ピンチ中です。
目の前には濃紺の髪の毛に銀色のきつね目、色白さらさらヘアーのイケメンさんが立っています。その人の手には、木箱に入っていたらしき紙袋が数種類。そして彼は問うてきます
店員さんのお勧めはどれですか?と
今更なんですけど、わたしこの世界の文字が読めないようです。
時は遡ること数分前―――
一通り家の事を教えてくれたユフィさんは仕事があるとかでお城に出勤しました。
因みに物価は日本と変わりありませんでした!
わたしのせいで出勤が遅くなってしまったのかもしれません。良心が痛みました。
それを見たユフィさんはわたしに留守番というお仕事を任せてくれました。
ですが、居候させてもらうわたしが仕事をせずに、なぜユフィさんだけが仕事をせねばならんのでしょう!?
わたしはユフィさんの反対を押しきって店番をやらせてもらうことに成功致しました!
しかもやることは事後処理とやらだけらしいのですぐに帰ってくるようです、なので職務はきちんと全うしてみせます!
ユフィさんの薬屋さんは人が買いに来ることはあまり無いそうなので、店番と言う名の留守番にあまり変わりはない模様です。
お店なのにお客が来ないというのは、経営上少々不安になったんですけど、細かいことは考えません、キャパオーバーで爆発してしまうので。
そんなわけでわたしはレジスターの前辺りにで、背もたれのある木の椅子に腰かけてうとうと…もとい、物思いに更けていたんです。
カランコロン―――
自分の目の前に雪見大福の幻覚が見えたのですが一瞬にして吹き飛びました。いえ、決して寝てなどはいません。
…とにかくお客さんが来たのです!
レトロな木のドアから入ってきた人は、男の人でした。
入ってきた人はわたしに向かってにこっと微笑み会釈をすると、少し店内をうろうろ見た後、わたしから向かって左端の木箱のおいてあるコーナーへしゃがみこんでいました。
接客したことないんですけど、どうすればいいのですかね?
さっきいらっしゃいませ、とは言ったんですけど。
呼ばれたら行くべき?寧ろ自分から売り込みに行くべき?
そんな葛藤をしながら結局わたしはレジスターの前で背筋をピンと伸ばして立ってました。
すると、
「すみません」
と、男の人…もとい濃紺の髪に銀色のキツネ目色白さらさらヘアーイケメンさんに呼び掛けられました。出来ればやりたくなかった、自分から売り込みに行く。という選択肢を消してくれた彼に拍手喝采です、ありがとうございました!
そしてわたしは彼のたっている所の横へ駆け足で少しルンルン気分で寄っていきました。
そうすると彼は少しはにかんだような顔でわたしに問うてきます、
店員さんのお勧めはなんですか?
と
彼の手には紙袋が数種類。それぞれ色は同じようでシリーズっぽいです。表を見る限りでは違いがわかりません。それに、表紙の文字、読めません!
ピンチ到来です。
ここは読めませんで通すべきか…いやいや、そうしたらわたしは変な人扱いです!それにわたしはユフィさんから店番を任せてもらってます!そんな責任の無いことはしません!…ですが読めないからには仕方がない…ですがっ…うわあああ、どうすればいいんでしょう!?
「…お嬢さんがお気に召すものは、この中にはありませんかい?」
「…はいっ!?」
え!?おおおお、お嬢さん!?しかも言葉遣い何気変わってますよね!?というか彼の言ってる意味がよくわかりません!やばいです、言語能力も衰えてきた模様です!
「んー、…じゃあちょっと特殊だけど、この辺りかい?」
彼はそう言って木箱をごそごそあさって袋を見せてきました。…なんでしょうか。言葉読めないんですけど、これは肯定してはいけない気がします。
袋中が真っ赤で、中央には黒いドクロマーク。
「そ、それではないです!」
「だよねぇー」
彼はその袋を箱に戻し、片手を顎に置いて少し考えた様子をみせると、ふとわたしを見て目を大きくしました。心なしかにやにやしてるようにも見えます。
「じゃあ、ちょっとさお嬢さん選んでくれません?…今なら俺がそれ試しに飲んだげるよ」
「えぇっ!?」
いや、わたしが選んだのを飲むって!病状に合ってない薬飲んだってかえって毒になりますよね!?
「はいはーい、遠慮しなくていいから」
ね?と言って彼はわたしの背中をぐいぐい押してます。
そして木箱の真ん前に立たされました。
遠慮とか言う問題じゃないと思うのはわたしだけではないと思います!
「これも薬のうちですし選んでくれません?…おたく薬屋さんでしょう?」
うげっ、そういわれると痛いといいますか、ううううう…!いや、悩む必要はありません、この人絶対おかしいですもん。
「もしかしてここに置いてあるのは…薬じゃなくて違法薬ぶ…」
「ち、違いますっ!」
とっさにわたしは言ってしまいました。うおおお、なんてこったい。このあとのこと何も考えてないんですけど言葉に出しちゃいました…!あわわわわたしのバカ…!
…ですが、わたしのせいでユフィさんのお店に傷が付くのは絶対駄目です!あれです、恩を仇で返すってやつです!あれはなんとしてでも回避しなければなりません!
よしっ!!決めました!女は根性ですっ!!
選んでやりましょうとも!
少しヤケクソな気もしますが、そこは堪忍です。
「わ、わたしのお勧めは…」
「お勧めは?」
…えーいこうなったら目を閉じて箱のなかを漁りましょう。
「…これですっ!」
わたしは箱の中から取り出した紙袋を彼に押し付けます。因みにまだ目は閉じてますよ…なぜかって?こわいですからね、紙袋の中身が。
「…ふーん。店員さんはこーゆーのが好きなんだ。成る程。では少々拝借」
「えっ、好きとか嫌いとか…」
ではない、と言おうと彼の方を向こうとしたら。あらびっくり。彼はわたしの目と鼻の先にいました。
詳しく説明しますとですね、あれですよ、あれ。壁ドンです。あれの後ろが壁じゃなくて薬棚バージョン。
…うわわわわああああぁぁぁああぁあ!!!?
えっえええ、なんでですか!?どうしてこうなった!?よくよく考えてみればすごい状態ですよね!?冷静に分析してる場合ではなかったようです。
…ってそういえばわたしの半径5㎝に入って尚且つ目を会わせると、魔法が解かれちゃいます。
こっこここ、これはどうしましょう。
取り合えず手を突っ張り棒のようにドンと押します
…がびくともしません。
おおおおおお、ここ、こわいです!!
声も出ないくらいびっくりしていると彼はわたしの金髪を持ち上げて右耳に唇を近づけ、ふぅっと息を掛けてきました。
「…っ!」
「耳が弱いみたいだね」
うわあああばれました!ていうか、この人不審者です!変な人です!へへ、へ変態です!にやにやしててこわいです!だ、誰かっ!
すると彼は甘ったるい微笑みをわたしに向けてこう言いました。
「愛してるよ。マイハニー」
まいはにー
マイはにー
マイハニー!?
えええええ、ちょっと古くないですか!?てかそもそもあなたマイダーリンでもないでしょう!?この人不審者!まじで不審者です!思わず顔を反らしてしまいました。いや、悪寒とかではサブイボとかではないですからね。…ただマイハニーはちょっと…
「こっち向いてよマイハニー?」
そう言って彼はわたしの顔を正面に向けました。
うわあああ駄目です、目を合わせては終わりです!ばれます!
…これは突き放すしかありません!わたしは小さな勇気を胸に目を閉じながら弁解を始めました。
「あああ、あのマイダーリンさん」
「なぁに?」
「わわわたしは、あなたのマイハニーさんではないみたいですよ。ひ、人違いです」
「でも俺のことマイダーリンって言ってるよね?ということで俺とお嬢さんは晴れて夫婦に!めでたしめでたし」
「ちょ!勝手に完結させないで下さい!全然、これっぽっちもめでたしめでたしではありません!」
「ねぇ?なんでマイハニーは目を閉じてるの?
…あぁもしかして誘ってる?」
「違います違います違います」
「ふふ、可愛い。いいよ乗ってあげる」
「さっきから、マイダーリンさんは人の話聞いてませんよね!」
「どこからやってほしい?」
「だからっ!」
「じゃあここから」
すると彼はわたしの後頭部を片手でおさえて、わたしの唇を舌でつつっと舐めました。
「!!?」
びっくりしたわたしは思わず目を開けてしまいました。
見えたのはじっとこちらを見ている銀色の2つの瞳。ガッツリ見てます恐らくわたしの目と髪の毛を。
「うひゃゃやああぁあ!!!?」
やっちまいました。
ユフィさんごめんなさい、魔法が解けちゃいました。
それとサヨナラ
わたしのファーストキスよ
次回はこの濃紺の髪の毛の人視点も少々挟みたいと思ってます!更新遅くなると思います、すみません…!
ユフィ視点は暫くお待ちください(T_T)
お読み頂きありがとうございました!




