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その9

「うわぁ…!」



美しく且つ豊かでなめらかな金髪に、桃のように優しげなピンク色の瞳をした少女がこちらを見ています。

わたしは鏡の前でくるくると回って前髪だけでなく後ろの髪までみえるように動きました。

背中の半ば程まであるわたしの髪の毛のためよけいにお人形さんみたいです。

…あ!顔は関係ありませんよ!?流石に自分の顔をお人形さんみたいです。とは言いません!



「うん、我ながら上出来だ…!」



ユフィさんは満足そうにわたしを見て頷いてます。わたしというか、わたしの髪の毛と目の色を見ているのですが。



お察しの通り、わたしはユフィさんの助言(だと思いたい、切実に)の通り姿を変える特殊な魔法をかけてもらいました。

でもこのユフィさんがわたしにかけてくれた魔法は完璧ではないようで、わたしの半径5㎝以内に入り尚且つわたしと目が合っていると、その範囲に入ってる間はわたしの魔法がその人に対してだけ解かれてしまうようです。

まぁ、なかなかそんな状況に陥らないのであまりきにしてないのですが、ユフィさんはとても悔しそうにしてました。


それでなぜこの色のチョイスなのかというと『僕とかれんが兄弟に見えるようにね』とユフィさんが言ったからです。

わたしとしてはお兄ちゃんにとても似ているユフィさんと、仮の設定であろうと兄弟になるなんて嬉しすぎて昇天してしまうんですけど、一応、何故なのか聞いてみました。


…本当はこんなこと言って兄弟設定を撤回されるのが怖くて言いたく無かったんですけどね。


すると『こっちの方が都合がいいから』と言われました。


…え、ユフィさんがそっけなさ過ぎるって?わたしも思いました。ですがユフィさんはわたしの質問に答えるどころでは無かったようでした。


…なぜならわたしの髪の毛をじっくりと観察してるからです。

観察といえば聞こえはいいのかもしれないですけど、実際にやってることは軽く変態行動です。

髪を軽く撫でたり嗅ぐのはまだ序の口で、舐めようとしたり、噛みつこうとしたり(後で聞いたら歯触りが知りたかったそうです。)、しまいには『髪の毛を1本貰えませんか?』と言われてしまいました。

これ完璧に実験対象になってますよね!?

…勿論わたしの髪の毛は渡しましたよ?



わたしの髪の毛を堪能したところでユフィさんにもう一度同じ質問をしてみると今度はきちんとした答えが返ってきました。答えは至ってシンプルで

『兄弟でもない男女が同棲すると色々勘ぐられそうだから』

だそうです。なんかこう、ちょっとファンタジー的な答えなのかなと思ってたのですが、俗な理由でびっくりしたというか、肩透かしを食らった気分です。






「…さて、じゃあこの家の説明をしようか。」


そう言って立ち上がったユフィさんにわたしはとてとてとついていきました。




どうやらわたしが居た部屋は2階だったらしく、わたしの部屋をでて斜め右の方に階段がありました。2階には幾つか部屋があって、どれもわたしの部屋と似たようなドアノブでした。中はどんな部屋なのか聞いてみると、薬倉庫だったり、資料室だったり薬草を植えている部屋、お風呂、キッチン、トイレ…など沢山ありました。全部覚えるのは苦労しそうです。


1階は薬屋さん…というか、現代でいう雑貨屋さんみたいでした。

でも薬独特のつーんとした匂いや、毒々しい色をしたなにかのホルマリン漬けやらなんやらでとても雑貨屋さんらしからぬ光景なのですが。取り合えず物が沢山あります。

これ走ったりとかしたら色々割れちゃうパターンのやつですよね。


そんな物たちが密集した所を抜けると、奥に扉がありました。その扉を開くと


なんともまあ可愛らしいアンティークな雰囲気のお店がありました。

窓も空いていて清々しい空気が満ちており、観葉植物もいくつか置いてあって、木箱に詰められた紙袋は多分薬の類いなんでしょう。レトロなレジスターもあります。その隣にはビンに詰められた、透明で綺麗なカラフルな飴のようなものたちがありました。


めちゃめちゃタイプです


実はわたしアンティークなものが大好きなんです。はぅあ、やばいです、とってもかわいすぎます。やはりこちらがお店だったのですね。

こんなところで働かせて貰えるなんて嬉しすぎます!


「気に入って貰えたかな?」


ユフィさんははしゃぎまくるわたしをなだめながら聞いてきました。


「はいっ!とってもかわいらしいお店ですね!」


「ふふ、ありがとう。」


そう言いながらユフィさんはレトロなレジスターのなかを探ってます。そういえばこの国のお金ってどんなのなんでしょう?…もしかして、かわいらしいかんじだったりするんですかね!?


ちゃりーん


「これがここの世界のお金だよ」


そう言ってユフィさんが渡してくれたのは、茶色と銀色と、500円玉硬貨のような色の…というか、この硬貨、それぞれ10、100、500と書いてあるのですが。もしかして…


「これは10、100、500ルアン硬貨…で」


次はやはりお札でした。それも1000、5000、10000

と書いてあります。


「こっちは1000、5000、10000ルアンのお札だよ」



地味でした。

ファンタジーだからと言ってお金まで可愛くファンタジックになると言うわけでは無いみたいです。寧ろ質素な感じです!だって数字しか書いてないんですもん。でも、これはこれで見分けがすぐのでいいと思うのですが…まぁこんなことに文句言ってても仕方ないですもんね。


「100ルアンが5枚集まれば500ルアンになる…みたいに数字のまんまだから、かれんの言ってたお金とそんなに変わらないよね?」


「はい、お金の単位が違うだけで後は多分同じです!…あ、物価教えて貰えませんか?」


危ない危ない、忘れるところでした…!物価知らなきゃこの先、生きていけないですもん、危なかったです!


「物価か…ものによるけど、杖の場合一番手頃なもので1本1500ルアンかな。多分それは1ヶ月で壊れちゃうけど。他にも半永久的に使えるものもあるよ。高いのは家買えちゃったりする値段だけどね」



おぉう、杖ですか!…うん、全くわかりません!寧ろそれポピュラーな日用品だったりするんですかね!?ちょ、ちょっとここで生活するの不安になってきました。というか杖って使い捨てなんですか!?




「…ごめんなさい、食べ物とか服で教えてもらってもいいですか?」






今週から来週にかけてテスト週間なので更新頻度ががくっと落ちてしまうかもしれません、すみません!


新キャラも考えてるのでぼちぼち出そうと思ってます!

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