その8
「ユフィさんはどんなお仕事をされてるのですか?」
ユフィさんの自慢の助手になると決めたのはよいのですが、そもそもユフィさんはどんな仕事をしているのでしょう?…そういえばさっきわたしが飲んだのはユフィさんの手作りっていってましたよね?じゃあ薬屋さんとかですかね?
「僕の仕事は薬屋の主人兼騎士だよ」
「やっぱり薬屋さんですか…え!?騎士!?」
あのtheファンタジーな職業の!?騎士でいらっしゃいましたか…!そういえば騎士っぽい服着てましたもんね、納得です。コスプレでなくてひとまず安心です。
「でも僕は誰かを護衛したりとかはしなくて。…実は体術苦手なんだ」
えへへ、と言いながら頭を掻いてます。
「だから僕は城の中で実験したり…色々してるよ」
色々ってなんでしょう?
…て、は!?城!?
「お城なんてあるんですか!?」
「うん。…真っ白くて大きな建物だよ。」
わたしが狼もどきと出会ったところですかね?
「あ、奥に大きな扉ありますよね?」
わたしがそう聞くとユフィさんは今日で驚いた顔になりました。
「…えっ!?かれんそこに行ったの…!?」
な、なんでしょう、悪いことしちゃったんでしょうか?ふ、不敬罪で捕まったりとか…!?お城ですしあり得ない話ではありません!
「あそこは今の時期魔物の巣窟だから…あんなところに行ったのに…よく生きてたよね…!」
え、あそこそんなに危険地帯だったんですか!?それなら危険ですよマーク付けといてくださいよ!ま、間違えて入っちゃうじゃないですか!
「あのとき…僕がかれんを見付けてなかったら…」
そう言うとユフィさんは若干青い顔になって黙りました。
や、やめて下さいよ。改めて自分の置かれていた立場がわかってきました。…そう思うとユフィさんは本当にわたしの命の恩人ですね。
わたしはユフィさんの綺麗な水色の瞳をしっかり見て
「あのときは助けて頂きありがとうございました。」
やはり、お礼は言わなくては女が廃りますよ!(本日2度目)
「そ、そんなに畏まらなくていいよ。あれも一応僕たちの部隊の仕事だし」
ユフィさんは手を顔の横で振っていいよいいよ、と言いました。
「ユフィさんの…部隊?は魔物を退治するんですか?」
「うん。城の中に入ってきたのは勿論。この町の回りにいる害のある魔物は退治してるよ。魔物を袋に詰めて完了」
ではわたしが初めてユフィさんと会ったのは正に退治してる最中だったんですね。確かに袋に詰めてましたもん。そういえば、あの狼もどきが小さくなったのはなぜでしょう?気になってそう聞くと、
「あれは魔法だよ」
わ、わぁー、すごいです騎士に続き、魔法ですか…
なんででしょうね、びっくりすることが多すぎて反応が薄くなってしまいます。
「魔法…とはどんなものですか?」
「…ここの世界の魔法は大きく分けて、水、炎、雷、風、土、の5つ。水属性の人は水を操れたり、炎属性の人は炎を操れたり…って感じ。あ、基本的には魔法は一度にひとつしか使えないよ。…どの属性なのかは髪の毛の色とか目の色で大体わかるんだけど…」
ユフィさんはわたしをちらっと見てから、また話を続けました。
「この世界では誰でも多かれ少なかれ魔力は持っているんだ。でも魔力は努力してどうこうなるものではないから、魔力が多い人は何かと重宝される。…例えば城に勤めたり、魔力を込めた特殊な薬をつくる薬屋とか、町の周辺を守る騎士になったり。」
この説明でユフィさんが騎士とか薬屋をやってる理由はわかりました…ですが、
「ではユフィさんは何の属性なんですか?今は金色の髪の毛に水色の瞳をしていますけど、魔法を使うと茶色い髪の毛と、黒い瞳をしてますよね?…ということは、…雷と水と土ですか?」
わたしがそう言うと、ユフィは今日で一番驚いた顔になりました。綺麗な瞳が大きく開かれてます。…え?もしかしてわたし頓珍漢な事を言ったのでしょうか!?…うわぁ、それはかなり恥ずかしいです。
「僕が…茶髪に見えた?」
「え、はい!?」
わたしが肯定とも否定ともとれない返事をしたからかユフィさんはわたしに顔を近づけて真剣な目で問い詰めてきました。
「…どっち?」
「みっ、見えました!茶髪で黒い瞳でした!」
するとユフィさんは少し黙って考え込んでからこう言いました。
「…僕のこの金髪と水色の瞳は特殊な魔法を使ってかこうなってるんだ。勿論簡単には解かれない、例え自分が他の魔法を使っていてもね?」
「え、でも…」
「わかってる、でももう少しだけ話させて。」
ユフィさんがとても真剣な目で訴えるので、いいえとは言えませんでした。かわりにわたしはコクリと頷きました。
「さっき属性の話したの覚えてるよね?髪の毛の色とか目の色で属性がわかるって。…でもねかれんの髪の毛と瞳は何の濁りもない純粋な黒。すなわち…どこの属性でもないんだ。」
…属性がないことはそんなに大事なことなのでしょうか?
「諸説あるけど黒を持つものは魔界からの遣い、と呼ばれてたり、不幸をもたらす者…って言われてたらしい。最近は黒を持つ人が居ないから詳しいことはよくわからないけど、とりあえず卑下される。なぜそこまでされるのかと言うと、黒を持つ人はそろって特殊な能力を持っていたから、畏怖もこめたらしい。…それでさっきも言ったけど最近はそんな人は居ない。でも僕たちみたいな研究者はそこのところを解明したい。…いいたいことはわかるかな?」
「じ、実験対象として見られる…?」
ヒクリとわたしの頬がひきつるのがわかりました。
「そう。だから無闇に他の人に髪の毛の色とか目の色の話は振らないでほしい。」
わたしは肯定の意味を込めて激しく首を縦にコクコク動かしました。い、いじめ駄目絶対!弱いものいじめはだめです。実験って解剖とかないですよね!?
…あれ、そういえばさっきユフィさん『僕たち』って言ってましたか?え、え!?
「ありがとう。…だからかれんの髪の毛と目の色を変えたいと思うんだけど…いいかな?」
ユフィさんは子供みたいに好奇心旺盛な顔をしていってきました。
これは…もしかしなくとも
実験対象と見られてる!?
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